京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

最後の花見に御衣黄桜

2024年04月19日 | こんなところ訪ねて
娘が親元を離れることになったのを機に携帯電話を持つようになった。以来ずっと機種変更しながら、スマートホンに変えても同社のもの一筋に使い続けて、20年をゆうに超えた。

電車内を見回しても今ほとんどの人がスマホの画面を見つめている。私には短時間の乗車にそうした必要性も対象もないので、いつもぼーっと周囲を見ている。それほどのスマホ利用者に、(なんかたかくない?)と支払い料金の不満が生じて久しい。請求額には相応の履歴があるんだろうに。

インターネットとも合わせて考え昨日、思い切って他社へ乗り換えることにした。
デジタル難民だ。もともと用語に精通しないし、使う機能は知れてる。とにかく使い勝手よく、あれこれある画面をすっきりさせたい。
(いらいらしない、しない!) ちっとも進まず何が何だかのまま放り出して、


千本釈迦堂に御衣黄桜を訪ねることにした。


寺は鎌倉初期の開創で千本釈迦堂は通称で正式には大報恩寺といい、本尊は釈迦如来坐像(秘仏)。
寺の東側がかつて千本通に面していた(寺の呼び名の由来になった)というから広大だ。その寺域に堂塔伽藍が整っていた。それが応仁の乱や重なる災禍で焼失し、本堂のみが残った。京洛最古の建造物で国宝に指定されている。堂内の柱に刀傷が残っていた。


『徒然草』第228段に「千本の釋迦念佛は、文永の比(ころ)、如輪上人、これをはじめられけり」と記されている千本釋迦念佛は、毎年2月に行われた大念仏で、今に続いて今年も3月22日に勤められている。


平安時代の貴族が着ていた衣服(御衣と言った)が萌黄色に近い色で、花の色が似ていることから名づけられたという御衣黄桜。
3月半ばに近くまで出た際に立ち寄ったこともあって、花の時季を待っていた。
境内で作業していた方が「今が満開です。あそこにもありますからゆっくり見ていってください」と。境内に2本、枝もたわわにみごとだった。
昔々、確かねねの道で見かけた記憶があるだけ。こんなにじっくり楽しんだのは初めてになる。

本堂前にはすでに咲き終わった阿亀桜。左手に、普賢象桜がこれもちょうど満開だった。
鼻をかすめる花の香も楽しんで…。

コメント (6)
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