京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

カムイ外伝

2023年03月17日 | 映画・観劇

「国際交流会館で『カムイ外伝』の映画があるんやけど、行かへん?」と声をかけていただいた。「雨でも行かはりますか」って。(そりゃあもちろんでしょ)
国際交流基金京都支部 外国人のための日本名作映画上映会(英語字幕付き)だが、一見したところ日本人ばかり。それでも後席から英語での会話が耳に入ってきた。

白戸三平原作のコミック『カムイ外伝』。カムイに松山ケンイチ。小雪、伊藤英明、小林薫といった共演者の名。案内の解説文によるとー
監督・共同脚本の崔洋一、脚本・宮藤官九郎で実写化された2009年の映画で、長大な原作の中から「スガルの島」編に焦点を当て、自由を求めて忍者の世界を抜けた青年・カムイの壮絶な逃亡劇が描かれる、とある。
17世紀、社会の最下層に生まれたカムイは生きるために忍びの道へ。掟に縛られる世界から抜けようとすれば、掟によって抜忍(ヌケニン)として仲間からどこまでも追われる身となる。
心安らぐ日がくるのか…。

武器がスクリーンからこちらに向かってくる錯覚、サメが海上に飛び上がる、伊藤英明の両腕が切られ飛ぶ、隣席の女性が「うわあっ!」「うわあっ!」と声を出す。
通常ではありえない激しい人間の動きはCGあり、またワイヤー&ソードアクションとかいうのも見ものだそうだが、そうした場面に疲れを感じるのは年齢のせいに違いない。

〈軽蔑されようと差別されようと、自分の生き方を他人にとやかく言われる筋合いはない。弱音を吐かず、強がりもせず、淡々と自然体で生きる〉 とてもそんなふうには生きられなかった徳川の時代。
カムイの物語はどう展開しているのだろう。


陽光の明るさ、土の温みも増して、目覚めを促されたか。かたい地面を割って芍薬の芽が顔を出してきた。
芽の先端の紅いとんがりを見つけたときから、命のたくましさに触れたようで毎年なんともいえない大きな喜びを味わう。
まさに「一寸のたましいを持つ」の感だ。

「雪をのけたしかめてみる褐色の芽は一寸のたましいを持つ」と山崎万代方代が詠っている。

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6 コメント

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花冷え (いざよい)
2023-03-18 09:20:43
咲きはじめたソメイヨシノの花を、冷たい雨が打っています。
とても寒い土曜日になりました。

ところで、
>「雪をのけたしかめてみる褐色の芽は一寸のたましいを持つ」と山崎万代が詠っている。
と、ありますが、山崎万代ではなくて、山崎方代ではないでしょうか?
右左口村生まれで、無用の達人と呼ばれた方代は、私も好きで時々読んでいます。
気になったので調べてみたところ、この歌は方代歌集の「こおろぎ」のなかにありました。
恐らくkeiさんの勘違いかと思いますが、他の人も読んでいるので、余計なおせっかいをしてしまいました。
どうも失礼しました。
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感謝です いざよいさん (kei)
2023-03-18 10:19:12
こんにちは。

いざよいさん、ありがとうございます。
さっそく訂正しておきます。
なんやらこの頃こうした間違いが出ます。
急いで書き上げようとするからでしょうか。確認しなくてはいけませんね。
ありがとうございました。

お身体、大事になさってくださいね。
返信する
「カムイ伝」 (Rei)
2023-03-18 11:42:01
この映画は覚えています。
当時言われていたことですが日本は単一民族ではない、アイヌ民族を忘れてはいけないと。
アイヌの人たちには蔑まれていた悲しい歴史が
ありますから、記憶に残っていました。

芍薬の芽、なんと力強いことでしょう。
石の間から逞しいですね
私がいつも通る歩道ですが、並木の根っこが
歩道のブロックを盛り上げています。
杖ついていますから注意して通ります
返信する
カムイ Reiさん (kei)
2023-03-18 16:09:56
「カムイ伝」「カムイ外伝」、違うようですね。
「ゴールデンカムイ」となると作者からして異なり…。
アクション時代劇とありましたが、血が吹き飛び目を背けてしまう瞬間があったりでした。
漁民の命など惜しまぬと日置藩の殿。彼らの血で絵を描いたらどうかと
絵師に言うのですが、その絵師はカムイの元ボスでした。
助けた漁民のもとでカムイは暮らしていましたが、村人は全滅しました。

漁民は良民にも賤民にも入らない境界の人(マージナル・マン)だったと。
細かく差別ということが制度化されていた江戸時代
、五木氏が『サンカの民と被差別の世界』で
言われていたことをちょっと振り返りました。

私も時々木の根がアスファルトを持ち上げている公園内の道を歩くことがあります。
わかっていて躓きそうになりますから、怖いですね。
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映画館で観ました (こに)
2023-03-19 09:36:07
腕を落とされた伊藤英明さんが、数日後の岐阜信長祭りで元気よく馬に乗っておられて奇妙でした。
松山ケンイチさんと小雪さんは、この共演がきっかけで結婚なさったとか。
つまらない話題ですみません<m(__)m>

今朝は少し冷えました。
当地でも桜の開花宣言がありましたが街中のソメイヨシノの蕾はまだまだ固いです。
でも陽射しは明るく、春はすぐそこまで来ていますね。
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元気よく馬に(笑) こにさん (kei)
2023-03-19 13:00:39
映画館での上映があったのですね。
「数日後の岐阜信長祭り」とは、昨年大騒ぎ?になったときですね。
やっぱり奇妙な感じですか(笑)  
テレビで彼の乗馬シーンは見ましたよ。

「カムイ伝」「カムイ外伝」の違いもよくわからないのがほんとのところですが、
カムイの今後はどうなるんだろうと興味は残りました。

この日、蹴上のインクライン跡に沿った桜が数輪咲いていました。
咲けば一斉に…。早すぎますねえ。
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