Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

ティツィアーノ@ルーヴル-DNPミュージアムラボ

2008-02-10 01:30:57 | 機内食・映画・美術展
チベット美術館に続いては尊敬する美術愛好家、花耀亭さんのブログでその存在を知ったルーヴル-DNPミュージアムラボへ。

不動前の駅からまた5分ほど、DNP(大日本印刷)のビルを目指す。
 このビル、実は我が家の窓から見えるのだが、建設中からまた高いビルができて目障りじゃ、と思っていたのだった。

入り口を入るとすぐ右手に受付があり、
ここで名前を告げるとIDカードと音声ガイドを渡される。ここは時間ごとに人数制限があり、完全予約制なのだ。

案内のお姉さんにガイドの使い方を教わり、まずはルーヴルからやってきたティツィアーノの本物の鑑賞室へ。

「聖母子と聖カテリナと羊飼い」通称「うさぎの聖母」

ガラスの向こうではあるが展示室には1人づつ入るよう案内されるので誰に気兼ねもなくじっくり見ることができる。最近修復の終わった絵は色が鮮やかで、特にマドンナの赤い衣と背景の夕焼けが華やかだ。ティツィアーノのマリア様は神々しいというより親しみやすい、優しいお顔。

ここを出ると次にこの一枚の絵を最新技術を使って様々に解説してくれるコーナーがある。

花耀亭さんのブログにくわしい報告があるが、ここがとにかく楽しい。
アイ・トラッカーで絵のどこを見ているか記録してくれたり、スクリーンに近づくと絵の中に入り込んだように周りの景色が変わったり。
ティツィアーノの生涯を紹介する本も楽しいし、同時代の絵の細部を見せてくれるスクリーンも美しい。
 面白かったのは各ブースの壁と中のスツールがダンボールでできていたこと。DNPの面目躍如。

この隣のシアターではルーヴルのラボで「うさぎの聖母」を分析した様子を見せてくれる。赤外線撮影やらX線撮影やらで制作の過程が分かると言う話。こちらはまさにルーヴルの面目躍如。

絵の勉強をした後でもう一度本物をじっくり鑑賞。なるほど、何の先入観もなく絵を眺めるのもいいけれど、いろいろ教わってから見るとたった1枚の絵で1時間も楽しめる。

すっかり満足して音声ガイドを受付に戻すと、自分のアイ・トラッカーの記録をお土産にくれる。
 

これだけしっかり楽しんで、なんとここの入場料は無料!
ルーヴルとのコラボレーションであるこの企画、大日本印刷のメセナなのだ。
どうせメセナをやるならこれぐらいきっちりやらないとね。センスもいいし、設備は当然素晴らしいし、案内のお姉さん達もとても感じが良かった。単純なのでDNPのイメージ急上昇。もう二度とビルが目障りだなんていいません。

そしてルーヴル。最近の多角経営方針には賛否両論のようだが、こういう企画を見るとやはりすごいと思う。収蔵品をただ埋もれさせない、生きた美術館。マルチメディアの使い方を始め、未来のビジョンがある。
日本の美術館はまだまだ、逆立ちしてもかなわないだろう。

ティツィアーノの展示は3月1日まで。次に何が来るのか、まだ発表されていないけれど、次も絶対に行こうっと。

Louvre - DNP Museum Lab


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コメント (2)
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