Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

スロベニアン・クリスマス@京都「ピカポロンツァ」

2015-12-28 20:01:19 | 食べ歩き
共にブータンに行った仲間との私設「ブータン友の会」、忘年会をしようと相談しているうちに日本で唯一のスロベニア料理レストランに行こう、ということになった。

そこでめったに乗らない東海道新幹線で
 
お子様ランチちっくな見た目の割に結構ボリュームのあるチキン弁当を食べながら京都へ。

駅前のホテルに荷を解き、まずはものすごく久しぶりの嵐山へ。

  
駅の北側の嵯峨野は歩く人もなく、静かでしっとりと楽しめたが
  
小さな野宮神社まで来たらアジア系の若いお兄ちゃん、お姉ちゃんであふれていてびっくり。
縁結びのおみくじやらお守りやらが飛ぶように売れている。

  
竹林も渡月橋も若い観光客でいっぱいだったけれど、期待していたライトアップはなんと20日で終了していた。
なんでクリスマスや年末にやってくれないんだろう。

土産物屋が立ち並ぶ中でひときわ目立つ建物はなんと嵐電嵐山駅。
  
構内の壁や天井は竹で覆われ、ホームには友禅の布を使ったポールを何百本も並べて「京都らしさ」を演出。
 
そのホームに入ってくる市電のような車両もレトロで、いささかベタだが嵐電はがんばっているかも。

半分近くは外国人で超満員の電車で15分ほど。
嵐電天神川で降りて、店などなにもない国道沿いをいささか不安になりつつ歩くこと8分。

良かった、お店があった。
 今回の旅の目的、スロベニア・レストランの「ピカポロンツァ」 

店名はスロベニア語で「てんとう虫」の意味とのことで、かわいい店内も赤を多用。
 
予約時間よりかなり早く来てしまったので、1階のカフェスペースでハーブティーをいただきながら待つ。

やがてディナー開始の時間になり、靴を脱ぎ、急な階段を上がって2階へ。
 
こちらは白基調のすっきりした部屋で、キッチンには赤い服で奮闘するシェフの姿も見える。

まずはスロベニア式歓迎のパンと塩のアレンジでクラッカーとオリーブが登場。パンかごには白いパンとそば粉の黒いパン。
  
そしてテーブルには本日のメニューが置かれているが、「思いっきりディナーコース」をお願いしておいたらすごいことに。

 始まりはかわいらしく、紅大根の上にチキン巻。
 次に登場したフィロ包みの中にはしっかり味付けして焼かれた鴨。プルーンのソースとりんごのソテーが鴨によく合っておいし~。
 お口直しです、と出されたこれはまるでコーヒーゼリーのようだが、実は牛肉のコンソメにポルチーニが入り、上に乗ったホースラディッシュ・クリームがよく合う。

と、ここまでが「農家のごちそう」だそうで、続いては「漁師のごちそう」ということで
 前菜が鮪のマリネを焼いたもの。
きゅうりのように見える緑のビタミン大根があまくておいしい。
 立派な金目鯛はスロベニアでは食べそうにないが、トマトの効いたスープ仕立てにアーティチョークなどの野菜もごろごろ。
 こちらのお口直しはリンゴのスープだが、シナモンの効いた暖かいものが出てくるとは意外。

そしてディナーはまだ終わらない。次は「狩人のごちそう」で
 これぞスロベニアらしい猪のサラミ。
今度の付け合せはきれいな紫の大根だが、中までこういう色の品種なんだそうな。
 メインも狩人らしく、右が鹿肉、左が猪肉のボグラチというパプリカを使った煮込み。ジビエらしいワイルドさがあって、自分はちょっと硬い鹿より猪が好み。
添えられたシュトゥルクリは東欧でおなじみの蒸し団子のようなものだが、中にネギとクリームチーズが巻いてあって、お腹は苦しいがうまい。
 こちらのお口直しはあっさりと洋ナシのワイン・コンポートでほっとしていると、甘ーい香りのデザートが登場。
 
中にプルーンが入ったこれはクネドゥリといってジャガイモを使った皮だそうだが、ちょっとむちっとした食感が何かに似ているが何だったか思い出せない。
 次に登場はスロベニアを代表するお菓子のポティツァ。クルミのペーストが巻き込まれていて香ばしい。
 いちいよこれで最後、フルーツコンポート、と思ったら
 まだピスタチオのアイスクリームが来た!でもおいしいから残せない。

最後はハーブティーをいただいて、食べ終わるまで約4時間。
よく最後まで完走した、と自分で自分をほめたいが、予想外の料理が多くて本当に楽しめた。

一人でこれだけの料理を用意してくださったスロベニア人シェフに帰り際にご挨拶すると、
 小さなクリスマス・プレゼントをいただいた。

この秋にスロベニアに行き5日間滞在したと言うと「普通はみんな一日しか行かないのに」と喜んでくれて、次回また行くならコースの相談に乗ると約束してくれた。
スロベニアはぜひまた行きたいし、このお店にもまた来たい。

京都まで来た甲斐があった。


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コメント
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