キンドルを入手して以来、おこもりも続いているので古典と呼ばれるものをたくさん読んでいる。
なにしろ著作権の切れた本はタダ同然で読めるのだから。
ダウンロードした中の一つがディケンズの全集で、中の一冊、以前から名前だけを知っていた「二都物語」を読んだ。
ディケンズとしては「オリバー・ツイスト」や「大いなる遺産」に比べると知名度の低い小説だけれど、フランス革命を背景にして主人公一家がいかに危機を逃れるかというお話。
150年も前に書かれたものだし、ディケンズは基本大衆作家なので甘いと言えば甘いストーリーなのだが、今読んでもぞっとするのが貴族層の圧政に立ち上がった民衆がしだいに革命の熱に浮かされてどんどん残虐になり、ブレーキが利かなくなるところ。
これが現在連日報道されているアフガニスタン情勢とリンクして暗澹たる気持ちになってしまう。
特に歯がゆいのはせっかく自衛隊機まで派遣しながら日本大使館やJICAに協力してきたアフガン人を脱出させられないでいる点。
隣の国がうまく大勢を脱出させたのと比べるとやはりこの国は危機管理に弱いと思ってしまう。
ニュースを見るたびになんとかしてあげて、と心の中で叫ぶ。
それにしても我が憧れの地、アフガニスタンは不幸な国だ。
フランスに限らず、現在の「先進国」のどこでも歴史のどこかには残酷で悲惨な内戦の経験があると思うが、それが何十年も続いてはいないのではないか。
一度は行きたいとずっと思っているアフガニスタンだけれど、また可能性が遠のいてしまったのが悲しい。
←人気ブログランキングへ一票、お願いします。