Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

バングラデシュの旅 3 バゲルハット

2009-12-09 01:25:15 | 南アジア
11月23日 続き

村の皆さんとお別れした後は水田と溜池の続く景色の中を南下する。
 バングラデシュと言えば洪水が有名だが、まっ平らで海に近いこのあたりは特によく洪水に見舞われ、塩害もあるので他の地方ほどは米がとれずに貧しい地域だったのだそうだ(と言っても年2回の収穫、多いところは年4回もとれるのがバングラデシュ)。
それが今では溜池でエビの養殖が盛んになり、日本にも輸出できるほどになってずいぶん経済的に豊かになったらしい。
 クルナのホテルの前にはこんなエビさまのモニュメントまである。

やがて到着したのはバゲルハット。
まずは「60のドームのモスク」、サイト・グンバス・モスクへ。
  
15世紀に建てられたモスクは今も現役、町中ではあまり見かけない黒ずくめのムスリマもお参りに来ている。
 
  
  
内も外も装飾は控えめながら、すっきりと清楚でとてもきれいなモスク。
 
ミフラーブの前でコーランの一節を朗誦してもらうと、たくさんのドームに声が反響してうっとり。
この方の額のあざはお祈りの時に額を床につけるためにできたらしい。チベットの巡礼に時々見かけるのと同じだ。

次に立ち寄ったのはモスクを建てた王様、カーン・ジャハンの廟。
 
こちらは女性は中には入れないが、モスクよりも人気があるようで、周りには物乞いの姿もちらほら。
 
正面には池が広がり、沐浴する人もいるが、ここにはワニ(本物)が飼われているので水に入る時は要注意。

ここからは村の中をちょっと歩いてナイン・ドーム・モスクへ。
 
 
ガイドブックによるとここは最近修復されたそうで、モスクとしては現役ではないようだが、苔むしたような石組みが渋くていい。
 入り口でポーズをとってくれたこの美少女とおじいさんは、はて、何者だったか。

バゲルハットのモスク群ははでさはないが静かで素敵だ。


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バングラデシュの旅 2 グラミン銀行

2009-12-07 18:56:17 | 南アジア
11月23日

朝、バスに乗り込むと見慣れぬバングラデシュ人のおじさんが一人乗っている。
どなたかと思ったらグラミン銀行の、おそらく広報の方。わざわざダッカから出張していらしたらしい。

グラミン銀行と言うのは経済学者のムハマド・ユーナスさんが1976年に始めた農民・弱者救済のための小額貸付制度。ごく小額を無担保で貸し付け、農民たちが小規模な事業を始める手助けをするというもの。ユーナスさんはこの活動で2006年のノーベル平和賞を受賞している。

本日最初の観光(?)はこのグラミン銀行の活動。クルナ郊外の村までの道中、そのしくみについて説明を受ける。
初回のローンは大体1万円ぐらいを貸し付け、返済の実績ができれば貸付額を増やせること。利子は年利10%だが、預金をすれば年利12%がつくこと。

これを聞いて日本人全員、即座に興味を示すが、バングラデシュ人で、しかも一定の収入以下の人しか利用できないそう。残念。

そうこうしているうちに本日訪問する村の管轄事務所に到着。
 会議室に通され、資料を渡されて勉強会みたい。
この時いただいた資料によると、貸付の対象は97%が女性で、回収率は99%とか。

お茶をいっぱいいただいて、次は村へ移動。
 プルタラ村にお邪魔する。

最初に案内されたのはグラミンの融資で養鶏をはじめたおうち。
  
今ではこんな養鶏場が2つあり、卵の孵化設備もあって大成功。
 オーナーさんは携帯フル活用で忙しそうだ。

 
こちらの立派なおうちは刺繍のビジネスを始めたというお宅。息子さんはグラミン銀行の教育ローンを利用して大学で日本語を勉強しているとか。

 集会所には我々のために集まってくれたと思しきグラミン会員の皆さん。この銀行の仕組みは貸付を受ける時に5人のグループを作り、返済は基本的にこの5人の連帯責任なのだそうだ。返済は毎週で、銀行の人がこのような集会でみんなの前で集金する。不正を防止するための仕組みだろう。

集会では誓いの言葉みたいなのがあったり、ちょっと学級会みたいだが、
 
つい可愛い子の写真なんか撮っちゃう。

 とても明るい村担当の銀行の方に送られて、お邪魔しました。

今ではバングラデシュのほかにも世界38カ国に広がっていると言うこの仕組み、どうしても返済できなかった場合はどうなるのかとか、広報の人に聞いてもすっきりしない部分はある。見せてもらった村、家はある意味モデル・ケースだろうし、そうそううまく行くばかりではないだろう。グラミンは今では銀行業だけではなく、携帯電話の事業でも大成功しているらしく、ガイドによるとバングラデシュでは「ユーナス氏は貧者をだしにして大金持ちになった」、と非難する人もいるらしい。

でも一人でもこうした仕組みがきっかけになって貧困から抜け出せるなら、事業を思いついた人が裕福になったっていいじゃないか。
人の役に立つことをして正当な利益を得ることこそ本来の資本主義、バーチャルなお金や証券を転がして大金を得るのとは違うと思う。


資料をいっぱいいただいたことだし、もうちょっとまじめに勉強してみましょうか。

Grameen Bank | Banking for the poor - Home


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バングラデシュの旅 1 ダッカ

2009-12-04 01:53:59 | 南アジア
2009年11月21日から29日まで  黄金のベンガル、バングラデシュの旅

11月21日

午後13時半のマレーシア航空に乗って、クアラルンプールまで7時間半、トランジット2時間半の後、ダッカまではさらに3時間半のフライト。

日本とバングラデシュの時差は3時間のはずなのに現地時間が1時間ずれている。
夜中の空港に迎えに来てくれたガイド氏によると、この夏から電力セービングのために時間を1時間繰り上げたのだと言う。

そんなわけで空港近くのリージェンシー・ホテルに入ったのは朝の3時。
 やれやれ。

11月22日

今回の旅はおなじみS社のツアー旅行。
だからたとえ前日の到着が3時でも、7時半にはモーニングコールで起こされ、9時にはホテルを出発する。

急に1時間繰り上げられたバングラデシュの朝は7時ではまだ暗く、7時半を過ぎてようやく日が昇ってくる。
 
窓の外、初めて見るダッカの町はもやがかかり、眼下にはゴミと車と人がひしめいている。
さらに列車が通り、バスが来れば我先にと乗客が駆け寄る。南アジアだなあ。

時間前にはぴったりそろう同行者たちとミニバスに乗り、ホテルからダッカの中心へ向かう。距離は10キロもないだろう。
ところが日本では月曜にあたる日曜の朝9時(こちらでは金、土がお休み)、市内へ向かう道路は大渋滞。
 
  
片側4車線もある道路いっぱいに車やオートリキシャがぎっしり並び、その間をリキシャやニワトリかごまで通っていく。
車は90%が日本車。2,3年前の中古が入ってくるそうだが、意外にきれいな車が多い。さすがダッカは大都会。

と感心しているのはいいが、バスはちっとも前に進まず、そのうちトイレに行きたくなっちゃった。
じりじりと車をすすめてガソリンスタンドに緊急避難。
この時点でガイドも当初の予定だったオールドダッカへ行くことをあきらめ、国立博物館へ進路変更。
ホテルからの距離はおそらく5,6キロ、博物館に着いたのは11時近く。まるで20年前のバンコクのようだ。

 
国立博物館は美しい扉の立派な建物。大きなかばんも、カメラも、一切持ち込み禁止と厳しいが、中身は玉石混合。
しなびた動物の剥製から石像、木彫り、現代絵画までと間口は広く、この国独特の刺繍のコレクションなどはなかなか見事なのだが、悲しくなるような展示の仕方。もったいない。

でもこの博物館でもっとも楽しいのは2階の最初の部屋。バングラデシュの大きな地図が部屋のほとんどを占め、脇に並んだたくさんのボタンの前におじさんが一人座っている。このおじさんに「ダッカ!」などと地名を言うとパッとボタンを押して地図のその場所に電気がつく。その早業が楽しく、おじさんが得意そうで、この地図は最高。

博物館の見学が終わったらもうお昼。バングラデシュ最初の食事は・・・
 
中華!しかもこれ↑ってタイのさつまあげじゃない。この先はずっとカレーだからという心遣いなのかもしれないけど、しょっぱなから炒飯と焼きそばなんて・・・。

気を取り直して午後の観光。
ダッカ一の見所というラールバーグ・フォート。
 
きれいな公園の中にアグラのベビー・タージをさらに小さくして地味にしたような建物。
 
中にはビビ・バリというムガールのお姫様の墓があるが、内部装飾も地味だ。
 こちらの門は未完成ながら、お札にも絵がある名所らしい。でもやっぱり、地味。

ダッカではもう一ヶ所、バングラデシュ一古いヒンドゥー寺院というダケシュワリ寺へ。
 中にシバ・リンガの祭られた寺は、しかし最近の建物で趣なし。

ダッカではやはり渋滞が一番の見どころか、と思いつつ、夕方の空港へ。
 
それなりに大きな国際線ターミナルの奥の小さな国内線ターミナル。
 GMG航空の小さなプロペラ機は37人乗り。
 
サリーを着たスッチーさんが飲み物とお菓子を配ったらもう着陸体勢。
30分のフライトでジョソール空港到着。
 ここからまたバスに乗ってクルナの町へ。

真っ暗な悪路を走ること1時間半、町に着いたのが8時過ぎだったのですぐにレストランで食事。
 で、また炒飯に焼きそばってどういうことよ。

 
どピンクのベッドでさっさと寝ちゃおう。


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マレーシア航空で映画三昧 「ジュリー&ジュリア」「(500)日のサマー」「3時10分、決断の時」

2009-12-02 00:30:13 | 機内食・映画・美術展
バングラデシュは遠い。

その昔、日本に就航している中で一番ぼろいと言われたビーマン・バングラデシュ航空が運休してしまったので、マレーシアのクアラルンプールを経由して行かなければならない。そしてこのKLまでが7時間半と結構長いのだ。

とは言え、初めて乗った10数年前に比べ、マレーシア航空は機材もサービスもずいぶん良くなった。座席もそこそこ快適だし、個人用ビデオはちゃんとVODだ。

そんなわけで
 
マッシュポテトのたんまり乗ったビーフのなんちゃらと
 ポテトサラダ・サンドの合間は映画三昧。

「ジュリー&ジュリア」 Julie & Julia

ジュリア・チャイルドというのはおそらくアメリカで最も有名な料理研究家である。初めてロスに行った20年近く前、ホテルで近所のおいしいレストランを聞いたら「ジュリアがおいしいと認めたメキシコ料理屋がある」と言われて初めてその名前を知った。

この映画はそのジュリアが初めてフランス料理の本を出すまでの話と、その本に載っている500種類以上の料理をすべて作ってブログにしたジュリーさんの話。

時代の違う二人の女性がそれぞれ自分の居場所を求めて行動を起こす、二つの話を一つにまとめようと考えた、そのアイディアはすばらしい。しかし二つの話が相乗効果をあげているかと言えば、いささか疑問。

その理由の一つはメリル・ストリープがうますぎるから。185cmもあったという大女を映画マジックを借りながら実に楽しそうに演じていて、こちらの話だけをもっとじっくり見たいと思わせてしまうのだ。

それに比べてもう一人の主役、エイミー・アダムスはいかにも弱い。この人、典型的アメリカの優等生と言う感じで、かわいいんだけどつまらない。「サンシャイン・クリーニング」の時も主役なのに妹役に食われてたし、脇役の引き立て役ってどうなんだろう。

ジュリアの話だけで1時間半ぐらいだったらもっとおもしろかったかも。


「(500)日のサマー」 (500) Days of Summer

男の子と女の子が500日の間に出会って、恋をして、別れる、他愛ないと言えば他愛ないお話。

でもその話を時系列ではなくばらばらに見せるところがミソ。
二人でラブラブにしていたかと思うと、次のシーンでは同じようなセッティングなのにしらけきった二人がいたりする。

男はかなり本気なのに女の方はそれほどあつくなっていない、というのもなんだかひどくリアル。映画は男の側の視点から描いているのだが、勝手に盛り上がられてかえってしらける女性側の気持ちがすごくよくわかる。この監督、うまいなあ。

主役のジョゼフ・ゴードン・レヴィットもかわいくていい。すごくハンサムというわけではないが、癖がなくてどんな役でもできそう。これから売れるかも。

 KLからダッカへの機内食はラム・カレー。
いよいよバングラデシュと言う感じで、これはおいしかった。

そして帰路。朝の3時過ぎに出る機内食はさすがにパス。見もしなかったが、やっぱりカレーだったのだろうか。

KLから成田は
 チキン・ソテー。ぐずぐずの茶そばがやけにうまく感じる。
 冷たいサンドイッチはともかく、機内のアイスクリームはおいしいなあ。

そして映画をもう一本。

「3時10分、決断の時」 3:10 to Yuma

ラッセル・クロウとクリスチャン・ベール主演、今時珍しい西部劇。
アメリカ映画なんだけれど、なんだかマカロニ・ウェスタンっぽい。

ラッセル・クロウって醜男なんだけれど、映画だとやけにかっこいい。この映画でももちろん、おいしい役。
ラストにはあわよくば続編を作るぞ、みたいな複線があって、この役はかなり気に入っているんじゃないだろうか。

それにしても、娯楽映画なので細かいことを言ってもしょうがないが、最後の方、部下の扱いはいかがなものか。あれじゃ有能な部下は浮かばれないよなあ。そんなところがマカロニっぽく感じさせる理由だろう。


もう一本、韓国映画も見たかったがさすがに疲れちゃった。
VODの個人テレビがあれば長い飛行時間も苦にならない。


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