Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

21年春の東北 5 鶴岡

2021-05-05 13:48:04 | 国内旅行

4月16日

泥湯温泉の夜はだいぶ気温が下がったのだろう、昨日は熱すぎて入れなかった内湯が今朝はちょうど良く、ゆっくり硫黄泉を楽しむことができた。

朝食もゆっくりいただいたが、定時制のこまちシャトルは出発が11時と遅い。
そこで10時にチェックアウトをした後、宿の周りをちょっとお散歩。
本当は徒歩30分ほど先の川原毛地獄に行こうと思っていたのだが、宿の人に聞いてみると「道の除雪は終わっているけれど雪崩の危険があるから行けません」とのこと。
 確かに宿の先で道は封鎖されている。
 まだ雪がたくさん残る中、フキノトウはもう花が咲いているけれど
 
宿の玄関先はもう硫化ガスの噴き出す危険地帯。何年か前にはここに入り込んでしまった子供とそれを助けようとした両親が亡くなってしまったそうで、慰霊碑も立っている。すごい所に宿があるものだ。

 
少し先には泥湯温泉のもう一軒の宿、小椋旅館があるが、激渋のこちらが営業中かどうかはさだかならず。
 集落には他にも何軒か建物があって別荘なんて文字も見えるが、これらはすべて廃屋になっている。やっぱりここで営業を続ける奥山旅館ってすごい。

ロビーで新聞など読んでいるうちにシャトルが来てくれたので出発。
今度の運転手さんも面白い人で、以前バイクでこちらの温泉に入りに来た時は「気が付いたら隣をクマの子が走っていてびっくりした」とか、湯沢の周辺はサクランボが名産だけれど「半分は種だからね」とか、笑い転げているうちに駅に着いてしまった。
泥湯まで普通にタクシーとして乗ると1万円ぐらいかかるそうなので、一人2000円で行けるこまちシャトルは時間の制約はあるが助かる。

湯沢からは奥羽本線で新庄まで、新庄から陸羽西線で最上川沿いを余目まで。
 
さらに余目で羽越本線に乗り換えて鶴岡に降り立った。

鶴岡には何度か来ているけれど、同行の友人は街の観光をしたことがないのでバスで街の中心へ。
 
まずは庄内藩の藩校、致道館をちょっと覗く。
 
城下町に藩校が残っている所は多いけれど、歴史を知らないとどこも同じに見えてしまう。

藩校のお向かいにあるのが鶴ケ岡城址公園。ここでまた花見ができるかと目論んでいたのだが
 
見事にすべて散ってしまって地面に花びらが残っているだけ。

そこで公園はさっさと通過して隣の致道博物館へ。
ここは前にも来たことがあるが庄内藩主の隠居所や明治時代の建物が移築されていて
 白い時計塔のある旧郡役所が目立つ。

ブルーの建物は旧鶴岡警察署。
 
ここは前回来た時には解体工事中だったので、完成した姿が見られてうれしい。
中はほとんど空っぽなのだが、狭い階段を2階に上がると

ベランダから遠くに月山が見えてきれい!

まるで兜のような茅葺き屋根は出羽山麓の農家。
  
 
屋根裏では蚕を飼っていたかなり立派な家で中には農具などが展示されているが、主人夫婦の部屋など布団一枚でいっぱいという狭さなのが面白い。

この隣の美術展覧会場では磯貝吉紀さんと言う人のドールハウス展をやっていたので覗いてみた。
 
こういうちまちましたものは大好き。
 
手先の器用な日本人向きでもあるだろう。
 
ロンドンのお店シリーズなどもあって楽しかった。

この後はちょうどいい時間のバスがなく、普通の住宅街を30分ほど歩いて駅まで戻った。


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21年春の東北 4 泥湯温泉「奥山旅館」

2021-05-02 16:08:53 | 国内旅行

4月15日 続き

横手で北上線から奥羽本線に乗り換え、湯沢駅で下車。
 
ここから今夜泊まる泥湯温泉までは「こまちシャトル」という乗合タクシーで向かうが、他にお客さんはいなくて貸切。

泥湯までは45分かかるが、運転手さんは話し好き。途中、この山の向こうが菅首相の出身地だと教えてくれて、「しかし菅さんは話し方に熱がなくて説得力がない」と地元ながら手厳しい。「でも百合子みたいに演技過剰なのもねえ」と言ったら「小池さんは英語使い過ぎ」って、ごもっとも。

山道をくねくねとのぼって
 泥湯温泉に到着。
 
 この大きな黒い建物が今夜お世話になる「奥山旅館」さん。
このお宿は2016年に一度火事で全焼していて、運転手氏に言わせると「昔の風情はなくなった」そうだが、2019年に作られたばかりとは思えないほどどっしりした外観。

 
玄関を入ると大きなこけしが迎えてくれて、ロビーはこじんまりながらなかなかシック。
 
フロントの横に小さなお土産コーナーがあったが、菅ちゃんマスクケースはただの紙の封筒にしては高くないか。

 部屋はすべて2階で全9室。
  
10畳の部屋は意外にもベッドで、窓下の畳スペースにかわいいちゃぶ台がある。
床の間にこけしはいるがテレビはなし。このあたり硫黄が強すぎて電気製品がすぐにダメになるからだそうだ。
 
おいしいお迎え菓子をいただいたら作務衣とお風呂かごをもって温泉へGo!

 
湯屋はロビーの脇から出て階段を降りるとまず男湯、その前を通った先が女湯。
 
きれいな脱衣場の先にまず内湯があるが、薄く濁って硫黄の香りのするこの「天狗の湯」は45℃はあるだろう、熱くて1分ほどしか入っていられない。
そこですぐにその先の女性専用露天へ行くと
 
「川の湯」という別源泉のこちらはさらに硫黄の香りが強くて、灰色に濁ったお湯は自分の体も見えないほど。湯口では50℃以上もあるが少し離れると適温で、温泉らしい温泉にうっとり。

この露天の脇にはもう一つ扉があって、その先の通路をおそるおそる行ってみると
 誰もいない混浴の露天につながっていた。2つに分かれた浴槽のお湯は内湯と同じ「天狗の湯」。川に面した露天の分温度は下がって入りやすくなっていたが、落ち着かないのですぐに上がってしまった。

ちなみに宿から道路を挟んだ所には大露天風呂があって、そちらは新湯という単純温泉だそうだが
 残念ながら今年はまだ入れるようになっていなかった。

ホカホカに温まった体を冷ましているとやがて夕食の時間。
 
細長い食事処に山菜やキノコが並んでいて
 
後から焼き立ての岩魚や甘い茶わん蒸し、山菜天ぷらが来るが、天ぷらは昨夜の勝ち。
 
珍しい鯉の昆布締めはおいしく、比内地鶏の鍋には地元の三つ葉がたっぷりなのがよかったが、皆瀬牛は差しが入りすぎて無理。
 一番おいしかったのは秋田と言えばの稲庭うどんだが、普通は乾麺の所、これは生うどんとか。乾麺よりモチモチとした食感で、これはお替りしたいほどおいしかった。

ついでに翌朝の朝食も同じテーブルで
 
用意されたご飯の友の他にサラダとパン、手作りのジャム類はセルフ形式。

夕食も朝食も地元の食材を集めたものではあるが、どうも出来合いのものが多くて食事にはちょっとがっかりしたのが正直なところ。
この宿の御馳走は温泉につきる。


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21年春の東北 3 北上展勝地で花見

2021-05-01 14:25:20 | 国内旅行

4月15日

10時に宿から送ってもらって
 
カエルに見送られて東北本線の各駅停車に乗車。

 30分でやってきたのは北上駅。
新幹線も停まるこの駅の東口は閑散としているけれど

5分も歩けば北上川の堤防に出て、対岸に桜並木が見えるのが北上展勝地。
あいにくの曇り空だけれど、期待した通り、桜はちょうど満開だ。

ここも例年より開花が早くて、すでに満開だが桜祭りはやっとこの日が初日。本来はこの場所から対岸まで渡し舟があるはずだったのだが、今年はコロナ対応で中止とのこと。かなり先に見える橋まで行かないと川を渡れない。
そこで堤防沿いを歩いて行くと

川をまたいで鯉のぼりがいっぱい。

 橋の上からは満開の桜を上から眺め
 下に降りれば花のトンネルが続いて、
  川べりには黄色い水仙も満開。

 
川とは反対側には広々とした芝生が広がり、2キロ続く桜並木の端には土産物屋のあるレストハウスがあった。
 
川の向こうには雲の下に奥羽山脈の山々が見えてきた。

時間はちょうどお昼時、レストハウスには食べ物屋台がいくつか出ていたので
 
飲食エリアの芝生を見ながら、今日は軽くおにぎり。味噌焼きおにぎりが懐かしい。

 
今度は芝生側をまた橋目指して歩いて行くと桜型のモニュメントなどあって
 
枝垂桜が見事な一角も。と歩いているうちにようやく空が晴れてきて
 鯉のぼりはやっぱり青空が似合う。

  

ぐるっと往復して2時間ちょっと。例年の週末だと駐車もできないほどにぎわう桜の名所だそうだが、平日のこの日は人出もほどほど、とても気持ちよく花見散歩ができた。

 北上からは横手行きの北上線に乗車。
たった1両なので出発する頃には座れない人も出るほどいっぱいになった。なにしろこれを逃すと次は3時間後。

 
車内で半分真っ黒なごま摺りゆめソフトを食べながら車窓を眺めていると
 
湯田ダムの辺りから地面には雪がいっぱい残っていて、さすがこの辺りの内陸は寒そうだ。


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