枕草子 第七十五段 心ちよげなるもの
心ちよげなるもの。
卯杖の捧持。
御神楽の人長。
御霊会の振幡とか持たる者。
得意満面なもの。
卯杖を捧げ持っている舎人の得意そうな顔。
御神楽の人長舞をつとめる近衛舎人。
神楽の振り幡とかいうものを持っている者。
卯杖とは、正月初めの卯の日に、大舎人寮や兵衛府などから天皇、皇后、中宮、東宮などに奉った杖。桃や梅の木で作られ、邪気を追い払うまじないに用いられた。
なお、「捧持」を「法師」としている本もあるようです。
「心ちよげ」には、「気持ちよさそう」といった意味と、「満足そう」といった意味があります。
本段は短いものですが、どちらの意味として取るかで少しニュアンスが違ってきます。本稿では、「得意げで実力以上の姿を示そうとしているもの」と解釈しました。
その方が少納言さまらしいと思うのですが、如何でしょうか。
心ちよげなるもの。
卯杖の捧持。
御神楽の人長。
御霊会の振幡とか持たる者。
得意満面なもの。
卯杖を捧げ持っている舎人の得意そうな顔。
御神楽の人長舞をつとめる近衛舎人。
神楽の振り幡とかいうものを持っている者。
卯杖とは、正月初めの卯の日に、大舎人寮や兵衛府などから天皇、皇后、中宮、東宮などに奉った杖。桃や梅の木で作られ、邪気を追い払うまじないに用いられた。
なお、「捧持」を「法師」としている本もあるようです。
「心ちよげ」には、「気持ちよさそう」といった意味と、「満足そう」といった意味があります。
本段は短いものですが、どちらの意味として取るかで少しニュアンスが違ってきます。本稿では、「得意げで実力以上の姿を示そうとしているもの」と解釈しました。
その方が少納言さまらしいと思うのですが、如何でしょうか。