雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

稚児は

2014-12-28 11:00:20 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第五十六段  稚児は

稚児は、あやしき弓・しもとだちたるものなどささげて遊びたる、いとうつくし。
車などとどめて、いだき入れて見まく、欲しくこそあれ。
また、さていくに、薫物の香いみじうかかへたるこそ、いとをかしけれ。


幼い子は、粗末な弓や、むちのようなものなどを振りかざして遊んでいるのが、とてもかわいらしい。
車などをそこに止めて、抱きしめてみたいし、貰っていきたくさえなります。
そうして、車を進めて行くと、子供の着物の薫物の香りが強く匂って来るのなどは、とても風情があるものです。



理知的で、沈着冷静な女性とイメージされがちな少納言さまですが、可愛らしい稚児にはかなり惹きつけられるようです。

ただ、短い章段ですが、「車など・・・」以下の文意は今一つ解り難く、意訳には諸説あるようです。
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