枕草子 第五十六段 稚児は
稚児は、あやしき弓・しもとだちたるものなどささげて遊びたる、いとうつくし。
車などとどめて、いだき入れて見まく、欲しくこそあれ。
また、さていくに、薫物の香いみじうかかへたるこそ、いとをかしけれ。
幼い子は、粗末な弓や、むちのようなものなどを振りかざして遊んでいるのが、とてもかわいらしい。
車などをそこに止めて、抱きしめてみたいし、貰っていきたくさえなります。
そうして、車を進めて行くと、子供の着物の薫物の香りが強く匂って来るのなどは、とても風情があるものです。
理知的で、沈着冷静な女性とイメージされがちな少納言さまですが、可愛らしい稚児にはかなり惹きつけられるようです。
ただ、短い章段ですが、「車など・・・」以下の文意は今一つ解り難く、意訳には諸説あるようです。
稚児は、あやしき弓・しもとだちたるものなどささげて遊びたる、いとうつくし。
車などとどめて、いだき入れて見まく、欲しくこそあれ。
また、さていくに、薫物の香いみじうかかへたるこそ、いとをかしけれ。
幼い子は、粗末な弓や、むちのようなものなどを振りかざして遊んでいるのが、とてもかわいらしい。
車などをそこに止めて、抱きしめてみたいし、貰っていきたくさえなります。
そうして、車を進めて行くと、子供の着物の薫物の香りが強く匂って来るのなどは、とても風情があるものです。
理知的で、沈着冷静な女性とイメージされがちな少納言さまですが、可愛らしい稚児にはかなり惹きつけられるようです。
ただ、短い章段ですが、「車など・・・」以下の文意は今一つ解り難く、意訳には諸説あるようです。