枕草子 第六十八段 たとしへなきもの
たとしへなきもの。
夏と冬と。
夜と昼と。
雨降る日と照る日と。
(以下割愛)
比べようがないほど違っているもの。
夏と冬と。
夜と昼と。
雨が降る日と日が照る日と。
人が笑うのと腹を立てるのと。
年とっているのと若いのと。
白いのと黒いのと。
自分が愛する人と憎む人と。
同じ人でありながらも、自分に対しての愛情がある時と変わってしまった時とでは、本当に別人のように思われます。
火と水と。
太っている人と痩せている人。
髪が長い人と短い人と。
夜烏がたくさんとまっていて、真夜中頃にねぐらを争ってか騒いでいる。枝から落ちそうになってあわてふためき、枝から枝へ伝いながら寝ぼけ声で鳴いている様子は、昼間に見るのとはまるで違っていて、愛敬たっぷりでおかしい。
この段の内容も、とても分かりやすいものです。というより、本当に少納言さまの文章かと疑うほどで、小学校の、それも低学年の作文を見ているような気がします。
ただ、最後のカラスの部分は、昼間の精悍で賢そうなカラスに対して、夜中のとぼけた様子をおもしろがっているあたりは、少納言さまらしさを示してくれています。
たとしへなきもの。
夏と冬と。
夜と昼と。
雨降る日と照る日と。
(以下割愛)
比べようがないほど違っているもの。
夏と冬と。
夜と昼と。
雨が降る日と日が照る日と。
人が笑うのと腹を立てるのと。
年とっているのと若いのと。
白いのと黒いのと。
自分が愛する人と憎む人と。
同じ人でありながらも、自分に対しての愛情がある時と変わってしまった時とでは、本当に別人のように思われます。
火と水と。
太っている人と痩せている人。
髪が長い人と短い人と。
夜烏がたくさんとまっていて、真夜中頃にねぐらを争ってか騒いでいる。枝から落ちそうになってあわてふためき、枝から枝へ伝いながら寝ぼけ声で鳴いている様子は、昼間に見るのとはまるで違っていて、愛敬たっぷりでおかしい。
この段の内容も、とても分かりやすいものです。というより、本当に少納言さまの文章かと疑うほどで、小学校の、それも低学年の作文を見ているような気がします。
ただ、最後のカラスの部分は、昼間の精悍で賢そうなカラスに対して、夜中のとぼけた様子をおもしろがっているあたりは、少納言さまらしさを示してくれています。