雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

たくさんの家族

2010-04-29 12:04:46 | さても このごろは

さても このごろは、昔のことが しきりに思いだされる・・・


わたしは たくさんの家族の中で育った。
きょうだいは九人いて、わたしは 一番末っ子だった。
「おまんは おとんぼなんで、好き勝手に育った」と、皆によく言われたけれど、さて 確かにそうかもしれないが、かならずしも気楽なわけでもなかったよ。


きょうだいのうち 三人は幼いうちに亡くなっていて、わたしの上には 兄二人と姉が三人いたけれど、わたしが小学校四年の頃には 長兄以外は全部外へ出ていた。

そんなわけで、その頃の家族といえば、長兄と兄嫁さん、その子供が四人、わたしのてて親と はは親、そして わたし。
てて親と はは親は、母屋の中にある納屋だった所を 少しばかり手を入れて生活していて、わたしは一番上の姪と一緒にいることが多かった。


両親のことを、家の中では ジイちゃん バアちゃん と呼んでいたし、姪や甥たちは わたしのきょうだいみたいだったし、何が何だか よく分からん家族だったなあ、まったく。


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