やっと窓を閉めて音楽が聴ける。
Thorens TD320 を回し、LPの表面をオーディオ・テクニカの黒板消しみたいなクリーナーでふき取り、SME3009+MC20 Super Ⅱ の針を落とす。この手間が良い。
SeonのMozart Violinから。柔らかい音、Dynaudio Focus 340の分解能が優しく支える。ここまでの音が入っていたとは。
CDのデジタルの音と違い、LPは滑らかだ。レンジは狭いかもしれないが、懐かしい。70年後半からの大学時代を思い出す。あの頃の不安、焦り、努力、争い、達成など。卒業後、6年でMITに留学しここではボストン・シンフォニーに出会い、ヨーロッパにも旅行した。
音質で特徴はしなやかな高音の伸び。CDが油絵としたら、LPは水彩画のグラデーションの様だ。ただし、低域の安定感はCDにある。LPでは低音の波長(振幅)をRIAAで圧縮しているが、トーン・アームの弱点で低域は軽くて低域の共振か重くて追従が鈍くなるかのトレード・オフがある。機械はこれが物理派には面白い。
永くLPとターン・テーブル・セット、アナログ対応アンプを持っていて良かった。LPも銘盤や古楽器が多くCDで絶版のため懐かしい。
特徴のある音、風景、匂いは昔を急に思い出させるきっかけになる。色づく東山を眺めながらただただ楽しい