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虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

個性と才能を伸ばすタイミング つづき

2016-07-01 08:35:36 | それぞれの子の個性と才能に寄りそう

算数の学習では、

「じゃんけんをする」

「勝ったらマスに色を塗る」

「折り紙の16マスを塗り終えたら、それぞれの色の数を数えて勝ち負けを確かめる」

という3つの作業をきちんとこなすことが要求されている活動を

心から楽しんでいました。

こうした学習も、カリキュラムだから……とさせるのではなくて、

その子の敏感期によるタイミングと好みの個性に配慮した上で誘うのがいいと思います。

 

図鑑の話に戻りますね。

★くんは自分の頭のなかのイメージだけで繰り返し同じことがしたいタイプです。

ですから、まずは自分でしたい活動を存分にやって、

ちょっと手持ちぶたさしたあたりで、それまでしていた活動に広がりや意味を持たせてくれる

ような図鑑を見せてあげるといいのかもしれません。

 

★くんといっしょに見たのは

『はっけんずかん のりもの』と『大図解 21世紀こども百科』でした。

『はっけんずかん のりもの』は乗り物の内部の様子を、ポップアップ絵本のように

めくることで見ることができます。

 

工作で乗り物内部を作りたがる子に適しています。

★くんは駅の様子を作りたがっていたので、図鑑の駅の絵を、

「作ったら面白そうなものはないかな?」「いいアイデアはないかな?」

と言いながら、眺めました。

 

★くんは階段の絵を見つけて、最初、自分の作っている駅は階段はつけられない

と言っていました。

確かに、写真の状態の時には1階だけの平面しか

イメージできないですね。

でも、そこで、テーブルを利用することを提案すると、たちまち、★くんの想像の世界は

上にも下にも広がりだしたようです。

作っている駅を地下鉄ということにして、テーブルの上に切符売り場や改札口があって

地下に向けて階段が続いている様子がどんどん浮かんできたようなのです。

地下からさらに見えない地面の下に向けての階段も

作っていました。

 

わたしは、さらに新しく取り入れるアイデアはないか

図鑑の絵を眺めてみるようにうながしました。

吊ってある丸い時計があります。

「時計があるね。作れないかな?」とたずねると、

★くんは、「無理!無理!作れないよ」と興味なさそうに駅の屋根の続きを

作りはじめていたのですが、

「でも、ほら、テーブルのところから吊り下げたらどう?」とさらに言うと、

「そうだ、セロテープで吊ったらいい!」とすっかり乗り気になって、

いっしょに時計作りをすることになりました。

 

紙コップの底をはさみで切り取って、針や数字を書いて、駅の時計に。

★くん、すっかりこの作業に夢中になって、帰宅する時間が来ても、

「もう1個!もう1個!」とコップの底を切り抜いて、好きな絵柄を描いて

遊んでいました。

この作業は、最初に力を入れて紙コップに切り込みを入れなくてはならないのですが、

その力加減が大人でもむずかしいのです。

 

ちょっとはちゃめちゃな遊び方をする動きがダイナミックな子たちは、

こうした作業をすることに躊躇しないのですが、★くんのように

几帳面で完璧主義の子にはハードルが高いものです。

 

でも、子どもって、そんな風に自分にとって限界すれすれにあるような作業を

「えいっ」とばかりにやってみて、うまくできた時、

「もっと!もっと!」としつこいほど夢中になることがあるのです。

 

★くんにとって大事なタイミングですから、「紙コップがもったいない」などと思わず、

本人がやりたがるだけ切らせてあげることにしました。

 

★くん、自分の頭で考えて、自分の力で作りながら、

適度に他人のアドバイスを受け入れたり、

図鑑などから新しいアイデアを取り入れていくことができはじめているようです。


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