虹色教室通信

遊びや工作を通して 子どもを伸ばす方法を紹介します。

幼児が「よく考える」ようになるためのいくつかのステップ 5

2019-03-08 16:38:21 | 教育論 読者の方からのQ&A
幼児が「よく考える」ようになるために大事な3つめのことは、
「感じる」です。
特に自分の気持ちを感じて味わうという意味の「感じる」が大切だと思います。

「感じる」って、考えることと関係がなさそうですが、
幼児期に情緒的なものが十分発達しないと、
小学生になって、
ちゃんとがんばる気持ちの軸になるものがなくて、
「だるい~」「なんで、そんなんしなきゃならないの?」「どうでもいい」「べつに~」が口癖の子になってしまうかもしれません。

「できるようになりたい」
「ほめられたい」「認められたい」
「達成したとき気持ちがいい、スカッとする」「お友だちと共感しあいたい」「自分自身に満足」「もっとお話を読みたい」「あんな風になりたい」
といった前向きな気持ちは、

幼児期に、はずかしい、悲しい、うれしい、くやしい、さみしい、
といった気持ちをたくさん経験して、
大人に共感してもらったり、ゆっくり気持ちと向き合うのにつきあってもらって、自分の気持ちに通じていく先に生じてくる思いです。

幼児期に、悲しくても、寂しくても、「早く早く」「今忙しいから」「まだ泣いてるの?」「もうお姉ちゃんでしょ」と、感情を無視するように
教えられていると、
自分の基本の気持ちがだんだんわからなくなってきますよね。

そうすると、「どうして、人に優しくしなくちゃいけないのかわからない」
「どうして勉強しなくちゃいけないのかわからない~」
と、気持ちに関わることには、どれにも疎くなってしまうのも
仕方ありません。

子どもと接するとき、「教えたい」ことで接するのでなく、
気持ちを通いあわせることを一番にすることが、
「考える」ことを得意にする近道です。

ふしぎなだ、うれしいな、わくわくするな、悔しいな!できたらいいのにな、
いいな~うらやましいな、気持ちいいな、楽しいな

そうした気持ちが引き金になって、「知りたい」「学びたい」「考えたい」
という意欲が生まれるからです。

気持ちに気づけないのに、
知識だけインプットされても、
無気力や燃え尽きにつながる過剰ながんばりを生むだけですよね。

幼児期は、気持ちいいな、面白いな、不思議だな~といった「感じる」を
育むように心がけると、
自然と学ぶ意欲が高くて、
よく考える子に育っていくと思いますよ。

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