子どもの言葉を評価したり否定したりしないでありのままに受け入れるのは難しいです。
それは子どもの言うことを何でも聞き入れるというのとは違います。
最終的には、子どもの言う通りにできない場合も、いったんは自分の思考や感情や好悪のフィルターを通さずに「○○ちゃんはそう思っているんだね」ときちんと聞くということです。
ユースホステルのレッスンでこんなことがありました。
「園での活動を率先してやってくれます」と幼稚園の先生からはいつも褒められているという■くん。
でもお家ではダラダラゴロゴロして遊ぶのさえめんどくさがったり、イライラした反抗的な言動が増えているというお話でした。
もともとおりこうさんタイプの■くん。まじめで責任感があって穏やかな性質の子です。
それがレッスン中にも、お父さんが優しい口調で話しかけるたびに、つっかかるようなキレ気味の口調で返事したり、遊びの前にわざわざやる気がないことをアピールするような態度が目立っていました。
わたしも「このところ暑いし、疲れているのかな?」と気にかけていました。
晩の大人だけの勉強会の際に、別の子の親御さんの相談に対して、「子どもの言葉を評価したり否定したりしないで
ありのままに受け入れてみる」ことの大切さについて話しあっていた時のこと。
■くんのお母さんが、ハッとした様子でエピソードをお話になりました。
■くんが無気力になったり、反抗的になるちょっと前頃から、週何回か延長保育に参加するようになったそうで、そこにはちょっと乱暴な口をきく子たちがいたのだけど、■くんはそれなりに楽しそうに過ごしていたそうです。
その後、ちょこちょこ「お腹が痛いから幼稚園を休みたい」訴える日があったものの、熱もないし大丈夫そうだったので、「そんなことないよ、大丈夫だよ」と軽く言いくるめて園に送り出していたそうです。
するとそれなりに楽しそうに園で過ごしていたのだとか。
■くんのお母さんは、「■くんの幼稚園を休みたい」は何かのサインだったんじゃないか、
頭からその言葉を否定して、取り合わなかったのはよくなかったのではないか、
休みたいと言ったときは休ませた方がよかったのではないか、と反省しておられました。
園を休ませるかどうかはケースバイケースで、よほど深刻な事態でなければ行かせた方がいいのかもしれません。
でも、子どもの「幼稚園を休みたい」という訴えを、「大丈夫だよ。幼稚園に行けるよ」と端から否定してしまうと、その言葉の背後にある■くんの本当の気持ちやお母さんに聞いて欲しかったことが、言えなくなってしまうかもしれませんね。
「○○が痛い」が仮病のように見えてもその言葉のまま「○○が痛いのね」と共感して耳を傾けていると、お友だちとの間で傷ついた出来事や、自信がくじけた出来事がゆっくりと口に上ってくるかもしれません。
口にするのが辛いほど傷ついたことは、初めはもっと口にしやすい別の形で表現されるでしょうから。
子どもによっては「ばか」とか「きらい」とか「死ね」といったかつて自分に投げかけられて傷ついた言葉を他人に向かって攻撃的にアウトプットする形で、SOS信号を出す子もいます。
言葉だけに反応して、しつけよう教えようとする前に、子どもが発していることの本質的なものを素直に受け取るよう努めると、かたくなっていた子どもの態度がほぐれてくるかもしれません。
親がいつも心に余裕がある状態というわけでもないし。
うちはなるべく気をつけるようにしている方だとおもうのですが、最近こどもを寝かせて、さあ電気消してもうお話はやめて寝よう、という時になって上の子が「実はこういうことがあってやだった」とかいろいろ話し始めるので、どうしたものかとおもっています。
「◯◯ちゃんのお話、ママはちゃんと聞いてあげたいんだけど、寝る時間が少なくなると次の日困るから、他の時間にきかせてくれないかなあ」と提案してみたものの、よく一日を振り返ると学校から帰っておやつ、宿題、少し遊ぶ、夕飯、歯磨き、お風呂、寝る、と本当にいつもばたばた忙しく、ゆっくりする時間がないのです。
ちょっと時間のやりくりを工夫しようとおもいます。
こどもの話しの聞き方は、最近読んだ本がよかったです。「子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方大全」ちょっと分厚いけど自分で実践できます。
実践した方達がいらっしゃるようです。
http://togetter.com/li/619283?page=2
さっと読むには「子どもが聴いてくれる話し方と子どもが話してくれる聴き方」の方が薄くてよさそうです。