昔、大学病院勤務時代にも似たようなことがあった。受け持ちの患者さんがなくなったので死亡診断書をかいた。すでに自署署名があれば捺印は必要としないと厚労省から通達があった後のことである。自署のサインのみで認印を押さずに事務担当者に提出した。ところが事務:「先生、判子忘れていますよ。押して下さい」 私:「いやっ、もう印鑑はおさなくていいんですよ」 事務:「困ります。きちんと病院のルールは守ってください」 ・・・と押し問答が続いた。厚労省からの印鑑不要の旨が記載された通達書類を見せても「病院のルール」だからというわけの分からない理屈でついに自分も折れた。だまって印鑑押せば数秒で済む。ここで抵抗して数十分もエネルギーを使うのは得策ではない。しかし本来、病院事務方に医師が書く死亡診断書の生殺与奪の権限はないはずである。しかも当時、自分は彼らの命令系統には入っていないはずである。まあ面倒臭いので黙って従ったが今でも不愉快である。