さて当院の夏季休診も終わり診療を再開しました。ここ1~2週間は猛暑が続いています。この暑さで体調を崩された方も多いでしょう。扇風機や冷房をかけるので喉をやられ風邪をひいたり、熱中症による脱水で具合が悪くなったりでしょう。この熱中症がまたやっかいです。救命センター時代には意識がなく高体温の熱中症超重症患者はたくさん診ました。しかし初期の軽症状態ではこれと言った特徴的な症状がありません。倦怠感、食欲低下、身体の重さ、めまい、頭痛、注意力低下・・・など等。特に夏場でなくともこのような症状を訴えて来院される患者さんは多いです。つまりいつもあるような症状であると解釈し熱中症とは思われないことも多いでしょう。いつも患者さんには「熱中症こわいですから水分十分にとってくださいねー」とお話しするのであるが、どうもやはり高齢の方はピンときてないようです。今年も「高齢の女性、居宅内で窓を締め切り熱中症にて死亡」などという報道を聞く。新年の「餅による窒息」とならび、まるでこの時期の年中行事のようなのである。とても痛ましい。