外来での指導では「今食べている食事の量をすべて半分にしなさい」とか「間食をやめて1日1~2食にしなさい」というようにしている。そんな「痩せるためには食べないでください」なんて食事指導は乱暴であると思われるであろう。確かに自分もそう思っていた。しかし今の飽食の時代に「食べるな」といっても、みなさん結局は「食べて」しまっているのである。食事回数を1日2食にすると身体が飢えに対して栄養を蓄える体質になるので逆に太るのだという話も聞いたことがある。でも実際、1日の量を食べなければ太るわけはない。バランスよいきちんとしたメニューで減量できる人はもちろんそのほうがいいに決まっている。でも策を弄し、どうやっても減量できない人はやはり「食べないこと」がいいのである。今の世の中「食べるな」と言われてそのまま低栄養に陥ってしまう人はいない。きっとどこかで少しは食べてしまって自分の飢餓感に員数をつけているはずなのである。だから口を開けてものを食べる瞬間に「あ~、ちょ、ちょっと待って、本当にそれ食べちゃっていいの?」といっている私の顔さえ目に浮かべば半分成功なのである。といいながら自分だって夏休みの間は昼間からビール飲んでつけ麺すすっていた。ダイエットとはかくも難しい。私だって辛いのである。