男児の父親は「息子は自暴自棄になりかけた時もあった」と述べている。法的救済を求める遺族感情も理解できない訳ではない。しかし高齢者は元気な方であっても一度寝たきりになると、あっと言う間に肺炎になったり、認知症に陥ったりすることはごく普通に見られるのである。普段健康であっても、高齢の方は所謂「予備力」がないので、ケガや病気をしたときに立ち直れないのである。だから我々医療機関では高齢者に対し「寝たきりにさせないような」指導を普段の外来で毎日しているのである。また最近では高齢の方が自らすすんで運転免許の返納をしているようである。この事件では85歳の亡くなった運転手の方はオートバイ運転中であった。もちろん乗用車よりも二輪車の方がはるかに危険度が高い乗り物である。