世の中に新しいツールが出現し、それがいろいろな不都合を起こしてくると、それを規制する動きがでてくるのはやむを得ない。今回のドローン事件でも、官邸側のコメントでは「ドローンの購入、保持、使用については、法整備をして悪用されないように規制をかける必要がある」などと言っていた。確かにそうであるが、それを聞いて「ふ~ん」と感じた。法規制云々の前に「官邸の警備強化」の方が重要でしょうといいたい。まずは日本の最高中枢である首相官邸の屋上にやすやすと侵入を許したという警備体制の脆弱性が、それこそひろく国際的に知れ渡ったのである。このテロの標的にもなりうるであろう時代において、この脆弱性は大げさに言えば国家機密レベルの情報でもあり日本の恥でもある。これら警備体制の不備における責任問題のほうが重要であり、国民に対する謝罪や、今後のシステム強化における方策提示などが優先されるはずである。