吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

ドナー男児の移植「説明なく放送」 TBSと病院提訴 その2

2019年06月14日 06時15分53秒 | 日記
 驚きである。本人個人が特定できなくともプライバシーの侵害として提訴されたのである。まあこれはこれで議論のあるところである。またいつものように「個人情報保護」と「報道の自由」のせめぎあいである。
 自分が昔働いていた救命センターでの話であるが(たぶん1990年ごろ)、救命センターのICUに、突然土足でテレビカメラを持った数人のクルーがドカドカと入り込んでいきなり撮影を始めるなんてことが平気で行われていた。そして「何ですか、あなたたちは!」と制すると、異口同音に「報道の自由だ!」といって撮影をやめなかった。
 もちろん今ではとんでもない話だが、昔はこんなことはたびたび起こっていた。
 でも逆に最近よく言われている個人情報保護というのもちょっと過剰になりすぎていると思われるが。

 それにしても病院側が被告に挙げられているのは理解がしがたい。ましてや日本臓器移植ネットワークも被告になっていることにゾッとしている。一体、彼らはドナー家族に何をして、そして現場で何が起こっていたのか想像もつかない事態である。臓器移植が今後円滑に進む道が遠のいているようだ。この臓器移植の分野における「揉め事」はあってはならない。