吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

エレベータでの思い出 その2

2019年09月26日 06時25分21秒 | 日記
 なぜこんなことを言うのかというと実は昔の自分の出来事である。
 病院勤務時代に白衣をきて外来玄関を歩いていたら、待合室の長椅子で子供が泣きじゃくっていた。
 隣のお父さんはイライラした様子で「ほらっ! 言うこときかないと、あれっ(と私を指さして)、あの人に痛い注射をされるぞ!」と言ったのである。私はムッとした。
 「ぼうやね、心配しなくてもいいよぉ~、痛ぁ~い注射はね、ぼうやじゃなくてねぇ~お父さんのオツムにしてあげるからね~」と心に思いながら、私は黙って横を通り過ぎたのである。

 全くひどい話である。子供を制するのに自分は「安全な位置」において、そして行為の主体を他人に(この場合通りすがりの私に)すり替えたのである。
 これは前項の「ほら、お巡りさんにおこられるよっ!」とまったく同じなのである。
 自分が子供を律することを放棄して、律する者を別の人にすり替えるやり方なのである。
 これなら自分は子供に恨まれない安全な方法である。でもずるいのである。
 指をさされた自分はいい思いがしない。