吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

フェレットにかまれ感染症で死亡の警官 公務災害と認定 大分県警 その4

2019年11月20日 06時23分48秒 | 日記
 気になってちょっと調べてみた。動物咬傷で感染しやすい細菌はパスツレラ菌だそうだ。これはもちろん局所感染、蜂窩織炎にはなる。悪化すれば敗血症や髄膜炎となりうる。
 しかしやはり17年後に死亡と言うことはありえない。しかもこの菌は一般的にペニシリンがよく効く。「3か月後に蜂窩織炎になって・・」という報道も解せない。もちろん動物咬傷は化膿しやすいというのは常識。初診医がきちんと創開放+ドレナージさせ、きちんと抗菌薬投与していれば蜂窩織炎にはならないし、なったとしても17年もそれが継続した後に死亡することもない。
 死亡原因は手段的にはフェレット咬傷であるが17年後の直接死因がまったく不明である。
 これはますます解せないが、だれもツッコミはしない。

 これで怖いのは、うちのクリニックに怪我の傷が化膿して蜂窩織炎になった患者さんが来た場合、「え~っ、なんですか、蜂窩織炎!! じゃあ私は17年後に死ぬんですか?」って患者さんから言われるのが嫌なのである。説明が面倒くさい。
 とにかくTVで何か病気をやると「私、この前ニュースでやってたあれじゃないですか?」って必ず来るのである。 正確に報道してほしい。そしてコメントする医師は「まとも」な医者を連れてきてほしい。