吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

乗客が嘔吐 とっさにワイシャツ脱ぎ処理 救護の高3に感謝状 その3

2020年01月21日 06時25分02秒 | 日記
 「感染防御」・・まずこれをきちんと啓蒙し、防御方法も説明する必要がある。「他人の吐物をいとわずに救護した」・・・素人がきけば美談である(確かに美談であるのは事実)。メディアの報道意図は多くの人に対して救護に参加しましょうと啓蒙することで、それはそれでいいのであるが、しかしその先のものがない。メディアはこの話を美談と啓蒙で終わらせることなく、「安全管理」も含めた上での報道に心がけるべきである。最近では血液が付着することの感染性は強く報道されるようになった。しかし吐物もけっこう危険なのである。
 特にこの時期のウイルス性胃腸炎、ノロウイルスについては猛烈な感染力である。子供の吐物の処理をした母親の感染は言うに及ばず、下痢で排便したトイレでつぎに使用した人が感染したなどの話は有名なところである。インフルエンザの防御は咳や鼻水の飛散を防御し、接触したなら自分も十分にうがい、手洗いをすれば問題ない。
しかしノロウイルスはトイレのノブや便座にウイルスがあとあとまで残るのである。それに触れてもウイルスがついたという感覚がないので感染したかどうかの意識に欠けてしまうのである。インフルエンザは薬がある。でも感染性胃腸炎は薬が効かないので怖い。