吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

「救急車呼んだら7700円」は誤解だらけ 市の担当者は「入院しなかったら一律で徴収するわけではない」と困惑 その5

2024年07月27日 06時19分45秒 | 日記
 200床以上の病院を受診する場合はかかりつけ医の紹介状がないと選定療養費として、もともと7700円を負担することになっています。昔から、時々あることなのですが、病院に通常行く場合、外来の待ち時間が長いので、救急車でいけばすぐ診てくれると、わざと急病を装い救急車を呼ぶという心無い人も沢山いました。今回も「救急車で行けば紹介状がなくても診てくれる」と内情が分かった人によってこのような救急車の不正利用がなされました。
 結局そんないきさつもあって、病院で診療した医師の判断で「緊急性がない」と判断された人には選定療養費が請求されることは当然と考えます。むしろいままで請求できるのにしてこなかっただけのはなしです。もちろん緊急性があると医師に判断されればこれは負担の必要はなくなりますので、むしろ合理的なシステムと思われます。
 しかしこんな世知辛いことになる前に、きちんと救急車の適正利用を市民はするべきでした。救急車は無料のタクシーではありません。まず市民は救急隊の仕事を理解する必要があったのだと思います。
 あの多民族国家で、みんなが好き放題勝手なことを言う米国においてですら救急隊の仕事は市民から擁護されています。その点、日本人が「あいつら役人のくせに」とか「俺たちの税金で喰ってるのに」あるいは「救急車から降りてきた隊員がコンビニで食料買っている。けしからん」というクレームをつける様は本当に情けなくなります。