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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

古代の人たちと出会う?

2008-10-14 04:46:01 | 川柳日記
 若い人たちとアリストテレスの勉強をしました。
 アリストテレスについては、哲学史上での位置など漠然としてイメージはもってはいましたが、これを機会に改めて、彼の中心的な概念などを確認することが出来ました。

 アリストテレスは、プラトン以前のギリシャ哲学をディコンストラクションすることによって、真に西洋形而上学の父たり得たように思います。
 その意味で彼は偉大です。
 だからこそ、後世の哲学者たちが彼を参照し、とりわけ西洋形而上学を止揚しようとしたハイデガーなどもまた彼を参照したのでした。

  

 そうした勉強をする中で、私はその頃の古代の人たちに会いたくなりました。
 彼や彼女たちは、どのような表情で、どのようにしてあの偉大な思考を紡ぎ出したのでしょうか。
 ヨーロッパの思想家たちがともすればそこへと自説のルーツを言い立てるその時代の人たちは、どんな人たちだったのでしょうか。

  

 でもって、会いに行ったのです。
 岐阜の郊外のとある場所ですが、古代の検証に疎い私は、ここで出会った人たちがアリストテレスの時代のそれであるのか、或いは全く別であるのかの判断は不能なのです。
 でも、それらしい雰囲気はあります。

  

 この像たちは、その一人一人が特定可能なのでしょうか。
 ただただ無責任で夢想家に過ぎない私は、それらしいものに出会ったというそれだけで満足したのでした。
 でも、彼や彼女らの表情はどれもはっきりと、かつくっきりとしています。
 ヨーロッパ自身は私が思う以上に実際には多様なのでしょうが、これらの像の表情に、まさにヨーロッパを見てしまうのは私の主観だけではなく、ヨーロッパ自身がおのれをかく表象化してきたことの結果ではないかと思うのです。

  

 そしてそれらは、異種的なものを排除し、純化されたナチスの(ハイデガーの?)ヨーロッパへと至るのですしょうが、それは私の任を越えた領域かも知れません。
 とりあえずは、私が古代人と勝手に決めつけた人々のはっきり、くっきりの表情をもって満足しておきましょう。




 


コメント (1)
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