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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

ヴィヴァ! 上海! ヴィヴァ! 秋の恵み!

2008-10-27 17:17:22 | よしなしごと
 一夕、上海に遊び、上海ガニを賞味いたしました。
 お店に到着してすぐに、この貴重なカニの生態を見せてもらおうと調理場に案内してもらいました。
 流し台の中で、今宵私が食するカニたちががさがさとステンの壁面をひっかきながら出迎えてくれました。

 
 
 数えてみると、多少大きさにばらつきがあるカニが十パイほど蠢いています。中には、泡を吹きながらなにやらぶつぶつ言っているのもいます。
 いわゆるモクズガニですから、ハサミを持つ足には特徴のある藻くず状の毛のようなものが生えています。

 

 ガサゴソガサゴソ、上になったり下になったり動き回る様は彼らの生きの良さを表すものであり、これからの食に対する期待が否が応でも高まります。
 一番大きいものに手を近づけると、とてもどう猛でさっとハサミを広げてを威嚇します。こちらが手を引っ込めない限り、ハサミを収めようとはしません。すごい根性です。でも、こいつが一番おいしそうだなと当たりを付けて調理場をあとにしました。

 

 待つことしばし、赤くゆであがった上海ガニが運ばれてきました。
 甲羅をとると、図体に比べ思ったより多めのカニ味噌や卵があります。
 ワタリガニや毛ガニよりかなり小さく食べるのが面倒なのですが、その代わり殻の部分が柔らかいので、いちいち身をほじくり出せないところはガリガリッと噛んで、身の成分だけをすするように味わいます。
 実は私、医者に甲殻類は止められているのですが、この際はそれに目をつぶって、三バイ食べてしまいました。久しぶりのカニを堪能したというわけです。

 

 といったことですが、上海へ行ったということは嘘です。
 カニを食べたのは本当ですが、我が家で自分で湯がいたのです。
 カニは長良川で獲れたモクズガニです。
 上海ガニといったのもまんざら嘘ではありません。
 上海ガニは、チュウゴクモクズガニといって、私が食べたものとほとんど変わりのない同類なのです。

 この時期、長良川の中流域や下流域でよく獲れます。産卵に海へ下るものを漁師が捕獲するのです。
 本来はもっと高価なのですが、今年は豊漁なのか、たまたま並んだ店では需要が少ないのか、なんと十パイで598円という安さです。
 これはやはり買いでしょう。

 

 最後の写真、左上に写っているのは自家製の〆鯖です。
 まだ赤っぽいのですが、多めの塩に一時間なじませ、水洗いしてから、昆布とすだちと生姜に合わせた酢で一時間しめました。
 カニ共々、秋の味を堪能しました。

 酒は、石川県は菊姫の「淳」を合わせました。
 私は、偽「上海帰りのリル」です。

 「上海帰りのリル」なんて若い人には分からないでしょうね。








コメント (6)
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