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心に映りゆくよしなしごと書きとめどころ

「泰山木」と「河骨」の話

2009-06-13 03:52:04 | 花便り&花をめぐって
 植物というものは、強烈な色彩や香りをもつもの以外は積極的にこちらへ働きかけたりは余りしませんから、こちらが関心を払わない限り、そこにあっても見過ごしてしまう場合が多いようです。
 それだけに逆に、改めて出会うと、「え、こんなものがここにあったの!」と変に感動したりします。
 今日はそれらの二題。

  

 最初は、タイサンボク(泰山木あるいは大山木)の花です。
 いやあ、鼻がでかい・・おっと、シラノ・ド・ベルジュラックじゃないんだから花の方でした。直径20センチ以上あろうかというハスの花ほどのでかいのが木に咲いているのです。
 
 このタイサンボク、もともとはアメリカ大陸から渡来したモクレンの仲間だそうです。この花の大きさは、若い頃見たアメ車のでっかさに通じるものがあります。
 日本へやって来て130年ほどというこの植物、花の大きさのみならずその樹高も大したもので、20メートル越えるものがざらだそうです。
 花の形状は、モクレンというよりハナミズキの花を十倍ぐらいにしたようだと思いました。

  
        白いものが見える三本の樹がタイサンボクです

 この撮影は養老公園でしたものです。
 ここへは何度も来ているはずなのですが、前に来たときには気づきませんでした。きっと季節が違ったのか、あるいは私がぼんやりしていたからでしょう。

  
              移動中にあった麦畑

 続いては、関ヶ原にあるスイレンとコウホネの咲く池です。
 スイレンはモネ君の家でよく見ましたが(嘘です)、コウホネという花はそれと注意して見たのは初めてです。
 やはりスイレンの仲間ですが、葉がスイレンより細長いのと、花の茎が突き出ていて花の色は黄色一色のようです。

  
               これはスイレン

 ところで、このコウホネ、漢字では河骨(あるいは川骨)と表記するのですが、調べたところ、根茎が骨に似ているからとのことです。しかしながらその根茎は池の底、そこまでは見えませんでした(ここんとこ洒落です・・わざわざことわるな)。

  
               コウホネの群落

 ところでこの池、その上に架橋があって、東海道新幹線が走っているのです。
 それがまた、上下線で5分と経たないような間隔でビュンビュン通り過ぎます。改めてそのダイアの過密ぶりを実感しました。
 この線をよく利用される方、岐阜羽島と米原の間に、この池の上を通る箇所がありますので注意してみて下さい。ただし、東京に向かって右手(大阪に向かって左手・・当たり前の補足)はある程度広いのですが、その逆は狭いので見過ごしてしまうかも知れません。

  
               これがコウホネ
 
 いずれにしても、乗客からは、池の上を渡っているというより、池の傍らを走っているように見えるのではないでしょうか。
 ましてやあのスピードで、スイレンやコウホネの花がご覧になれる方は、よほど動体視力のいい方です。大リーグ入りをお進めします。

  
       スイレンとコウホネの池の上を疾走する新幹線

 私が見た新しい花たち、花好きの方だったら当たりまえだのクラッカーでしょうね。
 でも、冒頭に述べたように、対象が静かな場合にはこちらに見ようとする意志がない場合にはあっても見えない場合があります。
 残された余り長くない命、どん欲に出来うる限りのものを目に灼き付けながら生きて行きたいものと思います。

 え?もう目が霞んでいるって?
 ほっとけ!その場合は心眼で見るんじゃ。
 


コメント (4)
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