夏も終わりに近いある昼下がり、私はトボトボと歩いているのでありました。
「上を向いて歩こう」という歌があります。
しかしこれは危険です。
上を向いていると足下にある障害物をそれと察知することはできません。
私のような老齢者にとっては、何かに足を取られて転ぶということは致命的になることがあるのです。
そのせいで足腰を痛め、そのまま寝たっきりになったという怖~いお話を幾度となく聞いているからです。
したがって、歩行はどうしても足元に注意しながらということになります。
これにはちょっとした副産物が生じる場合があります。
道に落ちている小銭などを見つけたりするのです。
先般も目の端にキラリと光るものがあったので、シメタと思い、できるだけ不自然にならないよう、かつそれと確認できたらサッと拾えるよう、幾分斜行をしながらもそちらへと歩を進めたのでした。
ビールの栓でした。
世の中には紛らわしいことをする人がいて困ります。
ビールの栓は要らないのです。
だから拾いませんでした。
下方はアウトレットの靴がよく似合う私のおみ足
つい先日、やはり足元に注意しながら歩いていると何かちょっと派手な色彩のものに出くわしました。
2、3歩行き過ぎてからゆっくりブレーキを掛けて立ち止まりました。
車や自転車ではないですよ。
歩行をしていても急速に立ち止まるのは膝に負担がかかって危ないのです。
バスケットボールやってる人って、それで膝を傷めるじゃぁないですか。
後戻りをしてそれを改めて見ました。
立ち止まって正解でした。
こんなものを見逃すようでは街角ウオッチャーの名がすたります。
はじめは極彩色の虫か何かではと思いました。
それは歩道上で、自転車専用道と人専用道の境界を示す白いライン上に、というかそのラインからはみ出るようにしてありました。
よく見ると、いくぶん派手な被覆をまとったコードか何かのようで、もともとはそのラインの下に埋め込まれていたものが、表面の摩耗とともに表層に姿を現したようなのです。
ところでこれはいったい何でしょう。
どうも亀裂の形状からしてまだ前後に伸びているようなのです。
なぜ、こんなものがここに埋めれられているのでしょうか。
なにか特殊なセンサーでしょうか。
自己中で、おまけに陰謀論に弱い私はつい思ってしまうのです。
これは私の行動を監視するための装置に違いないと。
というのは、この場所は私が名古屋へ出るとき、ほとんど必ず通りかかる場所なのです。
私がここを通りかかるとセンサーがそれをキャッチし、追跡電波が発信されて、名古屋のどこで誰に会ったのかなどが記録されるのです。
たとえば、この前、とある居酒屋でお酒の盛りをよくしてもらいたというさもしい気持ちから、酒を注いでいるお姐さんに、「あなたって魅力的ですね」などと心にもないことをいったりしたこともちゃんと記録されてしまっているのです。
なぜそんなにまでして、国家の存亡などには全く関わりない私の些細な情報がスクラップされているのでしょうか。
それはわかりません。
しかし、誰がそんなことをしているのかはわかります。
ほら、今これを読んでいて、「チッ、バレたか。しょうがないなぁ」と顔を歪めているあなた、あなたが犯人です。
そしてあなたは、その首にペンダントのようにかけているUSBメモリーにそっと手を触れるのです。私の行動の記録がびっしり詰まったそのUSBメモリーに。
でも、本当にこれってなんでしょうね。
今度行ってみて、もうその痕跡すらなかったりしたらやはり怖いですね。
「上を向いて歩こう」という歌があります。
しかしこれは危険です。
上を向いていると足下にある障害物をそれと察知することはできません。
私のような老齢者にとっては、何かに足を取られて転ぶということは致命的になることがあるのです。
そのせいで足腰を痛め、そのまま寝たっきりになったという怖~いお話を幾度となく聞いているからです。
したがって、歩行はどうしても足元に注意しながらということになります。
これにはちょっとした副産物が生じる場合があります。
道に落ちている小銭などを見つけたりするのです。
先般も目の端にキラリと光るものがあったので、シメタと思い、できるだけ不自然にならないよう、かつそれと確認できたらサッと拾えるよう、幾分斜行をしながらもそちらへと歩を進めたのでした。
ビールの栓でした。
世の中には紛らわしいことをする人がいて困ります。
ビールの栓は要らないのです。
だから拾いませんでした。
下方はアウトレットの靴がよく似合う私のおみ足
つい先日、やはり足元に注意しながら歩いていると何かちょっと派手な色彩のものに出くわしました。
2、3歩行き過ぎてからゆっくりブレーキを掛けて立ち止まりました。
車や自転車ではないですよ。
歩行をしていても急速に立ち止まるのは膝に負担がかかって危ないのです。
バスケットボールやってる人って、それで膝を傷めるじゃぁないですか。
後戻りをしてそれを改めて見ました。
立ち止まって正解でした。
こんなものを見逃すようでは街角ウオッチャーの名がすたります。
はじめは極彩色の虫か何かではと思いました。
それは歩道上で、自転車専用道と人専用道の境界を示す白いライン上に、というかそのラインからはみ出るようにしてありました。
よく見ると、いくぶん派手な被覆をまとったコードか何かのようで、もともとはそのラインの下に埋め込まれていたものが、表面の摩耗とともに表層に姿を現したようなのです。
ところでこれはいったい何でしょう。
どうも亀裂の形状からしてまだ前後に伸びているようなのです。
なぜ、こんなものがここに埋めれられているのでしょうか。
なにか特殊なセンサーでしょうか。
自己中で、おまけに陰謀論に弱い私はつい思ってしまうのです。
これは私の行動を監視するための装置に違いないと。
というのは、この場所は私が名古屋へ出るとき、ほとんど必ず通りかかる場所なのです。
私がここを通りかかるとセンサーがそれをキャッチし、追跡電波が発信されて、名古屋のどこで誰に会ったのかなどが記録されるのです。
たとえば、この前、とある居酒屋でお酒の盛りをよくしてもらいたというさもしい気持ちから、酒を注いでいるお姐さんに、「あなたって魅力的ですね」などと心にもないことをいったりしたこともちゃんと記録されてしまっているのです。
なぜそんなにまでして、国家の存亡などには全く関わりない私の些細な情報がスクラップされているのでしょうか。
それはわかりません。
しかし、誰がそんなことをしているのかはわかります。
ほら、今これを読んでいて、「チッ、バレたか。しょうがないなぁ」と顔を歪めているあなた、あなたが犯人です。
そしてあなたは、その首にペンダントのようにかけているUSBメモリーにそっと手を触れるのです。私の行動の記録がびっしり詰まったそのUSBメモリーに。
でも、本当にこれってなんでしょうね。
今度行ってみて、もうその痕跡すらなかったりしたらやはり怖いですね。