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この豪華きわまりない折込広告の実体は・・・・

2023-07-16 02:41:04 | フォトエッセイ

 7月14日(金)の「朝日」の朝刊に、新聞紙大の立派な光沢質の4ページ立ての折込広告が入っていた。
 普段は折込広告などろくに見もしないのだが、その紙質とボリューム感に惹かれて、「おや、なんの広告かな」とタイトルに目を通した。
 そこには、「大手総合通販大和心 新規人材を大募集」とある。通販といえば、いまや既存の大手と新規参入との競合が激しい分野といえる。そこへさらに新たに・・・・ということだが、引っかかったのは「大和心」というアナクロなネーミングにわざわざルビを振って強調していることである。

     

 これは只者のなせる技ではあるまいという私の直感は当たった。裏面には、この会社の社長兼会長の挨拶があり、そこには彼は82歳であり、その妻は「49歳と若く、九州で随一の名門鶴丸高校から早稲田大学第一文学部心理学科を卒業した才媛」との紹介がある。まるでギンギン精力剤のCMのような自己紹介は普通の経営者のそれにはあまりない。この奇妙な経営者こそ、吉田嘉明という男である。

 この名前を聞いてハハ~ンと思われる方がいらっしゃると思うが、さらにいうと、今年1月にオリックスが買収を完了したDHCの創業者であり、いまやその座を追われるように去った男なのである。
 そしてそのDHC時代、その会社のHPやその傘下にあったDHCテレビを通じて根も葉もないヘイトスピーチやフェイクニュースを垂れ流した男なのである。

     

 その一端を紹介しよう。
 2017年、DHCテレビはその番組「ニュース女子」において、沖縄の基地反対運動に参加しているのはテロリストであり、犯罪者たちであり、その運動は無法地帯化していると報じ、在日コリアンの組織的介入を匂わせる内容に終始した。
 これに対し放送倫理・番組向上機構(BPO)は、「重大な倫理規定違反」と判断し、その旨警告を発した。それに対して吉田は、BPO自体がNHKや民放から選任された反日・左翼という偏った組織にほかならず、NHKも民放もいずれも「左傾化・朝鮮化」していると反論した。

 さらに吉田は、20年にはHP上で、「サントリーのCMタレントははほぼ全員がコリアン系日本人である」「ゆえにネット上では”チョントリー"と揶揄されている」と主張し、多くの人々から嘲笑も交えた批判が寄せられた。ここで問題なのは、この発言の内容が事実と異なるフェイクであると同時に、「コリアン系」と名指すことがなにか悪を象徴しているかのようなヘイトを内在しているということである。

 この差別意識に基づく在日コリアンに対する吉田の攻撃は執拗で、政界、マスメディア(新聞、NHK、民放)や法曹界、芸能界やスポーツ界を在日コリアンが牛耳っているとし、どういうわけか、その出身は東大、早大に多いとしている。
 これらは、吉田がしてきたヘイトスピーチやフェイクニュースのほんの一端である。

 DHCを去ったこの男が、次の事業として展開しようとしているのが冒頭に述べた「大和心」という通販組織なのである。
 私は、この男が関わるような事業に手を貸したくはない。いわばこれは、予めの不買運動宣言なのである。
 その意味では、さまざまな通販組織がひしめくなか、「大和心」などというアナクロでわかりやすいネーミングにしてくれたことは良かったと思っている。


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