きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
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「医者に殺されない47の心得」/近藤誠さん

2013-09-01 | 読んだ本

この本は、ベストセラーなのか本屋の目立つコーナーに山積みされていた。
「面白そうだ」と思い、家に帰って図書館の予約をかけたが、人気があるらしくかなり待たされた本である。

おおざっぱに書くと、病院で処方される薬の弱点、がん治療は、がんと言う病気より、むしろ抗がん剤の影響で命を縮めてしまうケースがあるとまで書いてある。
本によると、日本で「がん」と診断されても、海外では「良性」と診断されるケースが結構あること、特に乳がんは乳腺症など良性のものも「がん」と診断されやすいそうである。

健康診断も、血圧しかり、基準が15年前に比べるとどんどん厳しくなっているそうで、この本によると高血圧も、コレステロールも、基準より上の数値でもそんなに深刻に捉える事はない、むしろ薬でコントロールする方が危険である、と言うようなことが書かれている。

私が何よりショックだったのは、平均寿命は80歳と言われているが、本当に健康で食べて歩いて好きなことをしていられる寿命は、男で70歳、女が73歳が平均だそうである。
(それから平均寿命までの間、ボケたり、手術を受けて半身不随になったり、くだにつながれて、のらりくらり死んでなく生きているそうだ。)
父の事を思い出すと、あながち間違いではないように思う。


これを読んで、私はがん検診を受ける気がしなくなった。
下手に見つかってしまった場合が、とても怖くなった。

この本では抗がん剤は受けてはならないようなもののように書いてあるが、しかし現実、抗がん剤治療から生きて元気になった人もいるし、今、見つかったからってボケーっと何もしないままではいられないだろう。
でも、やっぱり診断されることは怖い。
おかしなことかもしれないが、死ぬことより病気の治療が怖い。

そして年金生活ぐらいの年になったら、覚悟を決めて検診なんて受けずに、食べたい物を食べ、飲みたいものをガブガブ飲んで、その時が来たら「それじゃアバヨ」とあの世に行ってしまいたい。
下手に生きて、家族の迷惑になりたくない。
本当に大切なことは、長さよりどれぐらい思いのまま生きてきたかではないのか、と切に思う。下手に寿命だけ延びても、動けない、考えられないのでは何の意味もない。

こう言う本を読むとますますその気持が強くなる。

私の父は物心ついた頃から糖尿病だと診断されて、何回か入院もしたけれど、「食べたい物を我慢するなら死んだ方がマシ」と言って、大好きなフライも食べ、もちろん酒も飲んでいた。
(甘いものはあまり食べなかった。)
カロリー制限なんて考えている様子がなく、入院すればすぐ数値は戻るから、と悪くなったら入院するだけだった。

だから私も妹も内心「長生きはしないだろう」と思っていたが、平均寿命は超えた。
食べたい物を食べ思いのままに生きる、と言うのも長生きの秘訣なのではなかろうか。
父を思い出すと、そんな風に思う。
真面目に糖尿病と戦っていたら、何十年も酒もフライも食べられなかったかもしれないのだから。
検診を受ける覚悟があるなら、あのぐらい開き直ってしまいたい。

私も少々短くても、やりたいように生き、食べたい物を食べていたい。


・・・と、今は思っているが。。。
どうだろうか。