津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

新書でお安く・・・日本近世の起源―戦国乱世から徳川の平和(パックス・トクガワーナ)へ

2011-12-08 16:42:42 | 書籍・読書

  敬愛してやまない熊本在住の渡辺京二氏の著書である。洋泉社から新書版で発刊されていた。

 

 

 日本近世の起源―戦国乱世から徳川の平和(パックス・トクガワーナ)へ (洋泉社MC新書)
                     渡辺京二
                     洋泉社

 

内容(「BOOK」データベースより)

日本のルネサンスともいうべき可能性をはらんだ室町後期の社会的活力を、血の海におぼれさせて出現したのが反動的、専制的な織豊政権ひいては徳川国家であり、日本の近代への胎動は徳川体制の下で窒息させられたという説はなぜ人口に膾炙したのか?戦国史学、とりわけ網野史観が流布させた戦後左翼の自由礼賛・反権力思考による錯誤を笠松宏至、勝俣鎮夫、藤木久志らの1990年代の研究成果に依拠しつつ徹底的に批判する。西欧近代を民衆意識の最も根源から乗り越えようとする著者の真骨頂を伝える「渡辺史学」の達成点!本書において戦国から徳川初期に至る壮大な歴史の再現に立ち会えると同時に単なる日本中世論を超えた現在的問題に繋がっていることを再確認させる。

内容(「MARC」データベースより)

中世は明るいのか、暗いのか? 百姓・侍・大名の関係はどうだったのか? 迷路のような中世史学を最先端まで辿りながら、戦国から徳川初期に至る壮大な歴史を再現する。自己衝迫の野心的試み。

 

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田邊城への密使

2011-12-08 08:27:05 | 歴史

小崎家を調査をする中で、幽齋公の田邊城籠城にさいし、忠興公が密使として派遣した人たちについて、色々な齟齬や良くわからない部分が出てきた。綿考輯録はこれらの使者について次のように記す。        

【捴て御籠城の内、忠興君より被進候御使者、森三右衛門両度、中津海五郎右衛門・小嶋六左衛門一度、魚住十助一度也、幽齋君よりは雲竜寺を御出し被成候外は、見へ不申候、但中津海は小崎兵次郎にたより、田辺に至、海辺より忍入候と有之、小島か事は小崎か家記にも見不申候、又一本には小嶋六左衛門名前一向に無之も有、委く不伝歟はかり難し・・・】

このうち中津海五郎右衛門と小嶋六左衛門は八月末(一ニ九月中旬)「関東より著仕候処、敵の番所堅固にて、城に入難く候へとも、日比よく案内をよく存候ニ附き、あごと云海辺来たの口より、夜半しのひ入、忠興君の御書を差上、関東の様子具に申上候、此両人は八月三日三島より、忠興君・与十郎殿御使として被差越候、越前に廻り、大野宰相秀雄卿 常真の御嫡子・参議従三位、慶長十五年八月八日逝 之内、小崎図書方へ被頼遣候処、折節上京せしに図書子兵次郎 後ニ又兵衛、一ニ図書弟と有 甲斐々々しく頼まれ、中津海を供につれ、関所々々を通り、田辺に至り候となり」とある。

中津海五郎右衛門については史料の示す通りであるが、父・三右衛門二男とハッキリしているが本人の直系は絶えたのか、「其跡不詳」と記す。また小嶋六右衛門については「一ニ小嶋六右衛門ハこれなし」とあり、詳細は明らかではない。

二度大役を果たしたという森三右衛門についての史料も見当たらない。実は森四郎次郎という人物があり、一族とともに米百俵を城中に入れ尽力したが一族十三人が討死したという。この四郎次郎の子孫に三右衛門の名があるが、時代が違い人違いであった。人物の特定ができない謎の人物である。また中津海五郎右衛門の為に尽力した小崎兵次郎について説明する綿考輯録に於いて、関係者の中に庄之助なる人物があり「後森三右衛門」とあるが、これが何者であるのか小崎家関係資料からもハッキリしない。綿考輯録編者に於いての誤記ではないのかと考えている。

都合五度に及ぶ忠興公の密使派遣は全てが成功したのではないようである。毛利伊勢守の家臣・毛利隼人(後、細川家召出、沼四郎右衛門)をたより城中に入った某は、城から出た跡村田加賀なる人物に捕らえられている。其の節は毛利隼人の機転の効いた処置に依り無きを得ているようだが、この某についてはハキとした資料が無いようだが、魚住十助ではないかとされている。魚住市正を祖とする二家、魚住加賀を祖とする三家、魚住半右衛門を祖とする一家、都合六家の魚住氏が侍帳に存在するが、この十助の名は見当たらず詳細不詳である。

援助に手を尽くした人たちは、それぞれ後に細川家に召しだされた。

小崎氏、毛利氏(後・沼氏)、興津弥五右衛門、井門亀右衛門、遠坂助右衛門などが尽力した。

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