津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■立政公御参勤 道中日記をたどる 10 (田浦→室津→家室)

2015-01-06 07:24:46 | 史料

八日目
    九月廿ニ日 曇ル

一、今暁七ツ時頃田ノ浦湊追風宜敷御出帆被遊夕七ツ半時過室津江御着船被遊候 凡三拾五里
一、御船手高浜梶右衛門初一同江定例之御酒御肴頂戴被仰付候 水夫之者江も御酒被為頂戴候 御肴は御台所より之□年ニ而御酒は都而梶右衛門取計也
一、御家老衆拙者梶右衛門今晩御前江不被召出御次ニ而勝手ニ頂戴仕候様被仰出候ニ付 右三人は御用聞ニ而頂戴仕候 尤御吸物御肴二種其外は御肴一種ニ而頂戴有之候
一、御本船江附廻り船江乗組之者共并水夫共迄頂戴有之候 右梶右衛門取計ニ而差廻候事
一、右之湊ニ而御家老衆拙者催合ニ而御肴献上仕大ひらめ壱ツ小鯛弐ツ也

九日目
    九月廿三日 晴

一、今朝五ツ時頃室津押船ニ而御出船被遊家室迄昼八ツ頃御着被遊候 其夜御滞船也 凡七里

十日目
    九月廿四日 晴

一、今朝北風強家室江御滞船候

十一日目
    九月廿五日 晴

一、今日も北風強御出船難相成右同所江御滞船也
一、御釣漁之節弐拾丁建度々骨折候ニ付御酒弐升被為頂戴候間 御膳番より梶右衛門江及沙汰候也 

 

廿二日七ツ(4時)時田浦を出船。追い風となったため順調に三拾五里(140キロ)を進んで夕方七ツ半(17時)室津に到着する。
室津とは、山口県熊毛郡上関町の室津(柳井市の南)である。
約13時間の長丁場の航海のあと、酒肴が出されて船頭・加子たちをねぎらっている。

廿三日は凡そ七里(28キロ)すすんで家室に到着、ここで滞船して過ごすことになる。
家室は山口県大島郡周防大島村の沖家室島の湊である。

廿四日・廿五日は天気は良いものの強風のため風待ちで家室に滞船、立政は魚釣りなどを楽しんでいる。
 

コメント (2)
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