新暦・旧暦の違いはあるが、文政四年(1821)の正月廿二日頃は風邪が流行していたらしい。「度支彙函」に次のような面白い記事が載っている。
【八九七】
一、風邪流行ニ付、諸御役間詰之面々長髪被成御免相老段、御用番被申聞候條、
左様可被相心得候、以上
正月廿二日 御奉行中
旧暦の文政四年正月廿二日といえば、グレゴリオ暦によると2月24日である。そんな時期に風邪が流行っていた。
そこで防寒対策として長髪が許されたというのである。つまり「月代」をそらずに出仕してもよいという訳である。
見苦しいよりもまずは風邪をひかず、火とにうつさず業務に支障がないようにとの配慮であろう。
ご苦労様・・・・・・・・・・・