このあいだ、東京国立博物館で開催している『特別展・スリランカ 輝く島の美に出会う』を観てきた。となりの建物で開催している『大琳派展』との共通券をオンラインで買っておくと、ひとり2,000円になってお得である。こちらは『大琳派展』よりも空いていてまわりやすかった(ベビーカーを押しながらなので・・・)。
アヌラーダプラ時代、ポロンナルワ時代、キャンディ時代以降それぞれについて、仏像やヒンドゥーの神像、彫刻、壁画、装飾などが多く展示してあって楽しい。興味深いのは、かつては鼻がすっと通っており面長だった仏の顔が、のちに丸顔に移り変わっていく様子だ。また、カンボジアから持ち込まれた仏像もあったが、スリランカ仏の顔に馴染んだ場でのっぺり上品なクメール仏の顔を見るのも、あらためての驚きがある。
ポロンナルワにあるワタダーゲーは、中心部の仏と周囲の柱、入口のムーンストーンなど部分的にしか残っていないのだが、そのオリジナルを想像した模型があった。これまでは原型の姿について想像することも特になかったから新鮮だ。
ワタダーゲー、ポロンナルワ、1996年 PENTAX ME Super、FA28mmF2.8、Provia100
ポロンナルワの有名な仏陀が3像並ぶガル・ヴィハーラ(映画では『巨象の道』や『チャパクァ』に出てくるし、アンリ・カルティエ・ブレッソンによる涅槃仏の足から撮った写真も印象的だった記憶がある)については、写真パネルのみがあった。驚いた。この10年の間に、屋根がつけられている。世界遺産であるから、ユネスコの予算だろうか。・・・と思って、1996年に訪れたときの写真を見たら、屋根が写っているものもあった。おそらくその後も屋根が順次拡張されているということだとおもうが、まったく覚えていないのは記憶の美化だろうね。
ガル・ヴィハーラ、ポロンナルワ、1996年 PENTAX ME Super、FA28mmF2.8、Provia100
以前に足を運んだところに関連するものが多く、また行きたくなってしまった。ガル・ヴィハーラで暑さのあまり、猫車にコーラを積んでずっと待っているひとから1本買ったところ、(当然だが)熱いコーラになっていて噴き出しそうになったことなんかを思い出すのだった。