Sightsong

自縄自縛日記

ヴィエンチャンの散歩

2008-10-19 22:12:45 | 東南アジア

ラオスの首都ヴィエンチャンはずいぶんのんびりしている。上座部仏教の寺院がそこかしこにあり、橙色の袈裟を着た僧侶もとても多い。ただ、やはり現代人だから、携帯メールを読んだり、ベンチでダベったりしていた。寺は、ワットシーサケートなど一部の有名なところを除き、夕方に門が閉じられるようなことはなかった。


ワットミーサイの門番 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットミーサイの僧侶たち Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットミーサイの子ども Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットミーサイの子ども Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットチャンタブリーでは僧侶が話しかけてきた Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットハーイソーク Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットインペンの経典 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


ワットインペンの漆喰 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ

ワットシーサケートは有料だった。シムをぐるりと取り囲む回廊には、壁龕のくぼみに置かれた小さなものも含め、7,000体近くの仏像がある。これは壮観である。


ワットシーサケートの仏 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、GEKKO(3号)


ワットシーサケートの仏 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、GEKKO(3号)

ラオス人から、ラオスいち旨いというフランスパンの店があると教わったので、翌朝、そのメコン川沿いの「PVO」で朝食をとった。昼は、賑わっている店「フーユーン」で麺を食べた。そうめんのような細い麺をセンレック、太い麺をセンニャイという。麺は本当に旨いのだが、生野菜がたくさん添えられて出てくる。これを麺に入れたり齧ったりして一緒に食べるのだが、青臭くてあまり旨くはない。


「PVO」のフランスパン Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、GEKKO(3号)


「フーユーン」のセンニャイ Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、GEKKO(3号)

メコン川には歩いてすぐに辿りつける。川の向こうはタイだが、実際に見えるものは中州である(ずいぶん川幅が狭いのだなと思い地図を見た)。ちょっと前に増水して危なかったとのことで、土嚢がたくさん積まれていた。川岸に近づいてみると、泥干潟はカニの泥団子でぎっしりであり嬉しくなる。


メコン川 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


メコン川 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


メコン川の泥団子 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


メコン川の釣り人 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ

ヴィエンチャン中心部には映画館がなく、唯一、ちょっと離れた複合施設のようなところにあるらしい。なぜかといえば、VCDが大流行で、しかも映画館の半額で入手できるからだときいた。

最近まで上映していた映画館が廃墟になっているときき、行ってみた。中は廃墟というか、店のような倉庫のような使い方をされている。外のショーウィンドウには、昔上映したらしい映画のチラシが3枚貼ってあった。

足を踏み入れた途端、中に寝そべっていた犬がグルルルルと唸りつつ、明らかに攻撃態勢で(西村寿行的に)近づいてきた。ここで噛まれたら洒落にならない。胃がでんぐり帰るほど動転して誤魔化しながら逃げた。本当に怖かったので、戻ってから周囲に怖かった怖かったと言い続けた。


映画館跡 Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


映画館跡のショーウインドウ Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ

ところで、お店で変なバッグを発見した。どう見ても観光客向けではない場所だが、意外に格好いいかもしれない。「手に入れよう!」が、「毛に入れよう!」に見えてしかたがない。


吊るしのバッグ Leica M4、Summitar 50mmF2、TMAX400、イルフォードMG IV(サテン)、3号フィルタ


『けーし風』2008.9 歴史を語る磁場

2008-10-19 01:58:22 | 沖縄

『けーし風』2008.9号は、「歴史を語る磁場」と題されている。

この土曜日に読者会があったが、都合が悪くて出席できなかった。前号に併せた読者会では、「18歳」特集の意義について戸惑いがあったが、関西での会でも、今号掲載の報告を読む限りでは同様の反応があったようだ。

今号の特集も、何かをまとめて考える場にはなっていないようにおもえる。巻頭言では、「歴史の特定の局面を凝視していくような構成になっていない」特集ながら、「自由に射程を広げていく議論」を期待するといったことが述べられている。しかし、そうはいっても、これを読むかもしれないひとにとって、ますます入口が狭まっている印象が拭えない。

やんばるにおける沖縄戦という視点のドキュ、『未決・沖縄戦』を製作した輿石正氏の寄稿がある。ハンセン病療養所での証言ということが、それを聴く者にとって歴史の異化となりうることが書かれているようにおもえた。これはドキュを観ていても見過ごしていたところだ。

また、ドキュには証言者として登場しないものの、<不在の証言>としての「朝鮮人慰安婦」「朝鮮人軍夫」の存在が、「沖縄戦をあらゆる鋳型にはめこんでフタをすることを許さなかった」とする点が重く残る。この点は、宮古島に立てられた日本軍「慰安婦」の祈念碑、それから韓国と読谷村に立てられた「恨之碑」についての寄稿において、さらに具体的になる。

鹿野政直氏の思想史論集が刊行されたことを期に行われた対談は、沖縄の近現代史を問い続け・捉えつづけていく過程の思考がいくつも示されている。印象的なのは、みずからの立場を明確にするための「ヤマト」という呼称に、「沖縄問題の理解者」という特権化意識が見受けられるために、さらにそのスタンスを考え続けている姿勢、ということだった。

●参考 沖縄戦に関するドキュメンタリー3本 『兵士たちの戦争』、『未決・沖縄戦』、『証言 集団自決』