Sightsong

自縄自縛日記

江戸川漂流と慈悲地蔵尊

2010-01-15 00:39:04 | 関東

浦安の当代島に大川端公園があって、勝手に<象公園>と呼んでいる。象の鼻の形をした滑り台があるからだ。本当の名前の通り、旧江戸川沿いである。その公園の横には小さな祠があり、中に<慈悲地蔵尊>が祀られている。


慈悲地蔵尊 Pentax MZ-S、FA50mmF1.4、Astia、DP

曰く、

此の地蔵尊の建立してある地域は浦安町当代島字大川端と称し、堤外地であり此の地域内に居住している宅地は往古河川なりしが江戸川の屡々の洪水により土砂が堆積して陸地となり、此の地が陸地となる迄での長い過程には江戸川に漂流してきた人畜の佛體が数多く漂着し此の地に埋没されしと傅えられる。尚此の地区内にても災難事故にあわれた方も多数あり、依って此處に此の有縁無縁の霊魂が成佛する事を祈念し、併て地域の住民が不慮の災難にあう事なく、家内安全幸福な生活が永久に営まれる事を祈念して建立せり

『男はつらいよ・望郷篇』では、寅がボートで居眠りを決め込んでいる間に漂流し、柴又から浦安まで流れ着いてしまう。そこで、浦安の豆腐屋に住み込みで働き、妹のさくらに調子よく油揚げを送ったりもする(当然、到着したときには腐っている)。勿論、豆腐屋の娘に惚れてしまっている。

漂着するのが寅ならいいわけではないが・・・・・・。

地蔵は元来、ムラの入口や分かれ道の辻などに祀られていた。結界の守護神であった。何基もの排水機場で常に水を吸い出さなければならないこの地にあっては、川が道だということか。


旧江戸川 Pentax MZ-S、FA50mmF1.4、Astia、DP

●参照
浦安・行徳から東京へのアクセス史 『水に囲まれたまち』