Sightsong

自縄自縛日記

『海と山の恵み』 備瀬のサンゴ礁、奥間のヤードゥイ

2010-10-07 00:45:27 | 沖縄

『海と山の恵み 沖縄島のくらし2』(ボーダーインク、2010年)を読む。沖縄本島の古老からの聞き書きであり、本部町備瀬、名護市グスクヤマ、那覇市旭町、国頭村奥間、国頭村安田が取り上げられている。昔の生活についての語りがひたすら興味深い。

備瀬集落沖のサンゴ礁、イノーやリーフ(ピシ)だけでなく、リーフの上の穴やらその先の落ち込む斜面やら、ひとつひとつに名前が付けられている。さらに場所ごとに固有名詞があって、それぞれの場所で採れた魚について何人もの漁師が語りあっている。吃驚である。なかでも興味がある魚は、シジャーグヮーとマットゥー。旨いので「親戚にしか売らない」そうだ。本部の食堂で食べることはできないか。

奥間の山の生活も面白い。先日川遊びをした奥間川上流、琉球大学ワンゲル部の山小屋があるあたりの話である。確かに人が住んでいた住居跡があったのだが、ここは、ヤードゥイ(屋取)という、近世に首里や那覇の俸禄を打ち切られた士族が開墾した集落で、野生のイトバショウがあったという。その後、明治30年ころ、公有林の払い下げがあって、個人所有地になったのだということ。つまり個人の一軒家跡か。

確か東村の宇出那覇も、那覇から来た士族が開墾したからだと聞いたような気がするが、あそこもヤードゥイだったのかな。違うかな。


琉大ワンゲル部山小屋 PENTAX MX、M40mmF2.8、Tri-X(+2)、ケントメアRC、3号フィルタ使用


人家の跡 PENTAX MX、M40mmF2.8、Tri-X(+2)、ケントメアRC、3号フィルタ使用。

●参照
備瀬のフクギ、オオタニワタリ、シロバナセンダン草
やんばる奥間川