シダー・ウォルトン『Recorded Live at the Umbria Jazz Festival』(TDK、1976年)というDVDを中古で入手した。但しヨーロッパ系のPALフォーマット。
Cedar Walton (p)
George Coleman (ts)
Sam Jones (b)
Billy Higgins (ds)
ジョージ・コールマンのテナーサックスが渋すぎる。巧すぎる。味がありすぎる。もう最高。自分のスタイルを頑なに変えなかった人である。
マイルス・デイヴィスのグループに短期間在籍したもののすぐに離脱したのは、やはり彼らの指向した過激な新規性と水が合わなかったのだろうな(その意味では、過激すぎて合わなかったサム・リヴァースとは逆ベクトル)。しかし、マイルスのCDをほとんど手放したいまでも大事に持っている『My Funny Valentine』は、ジョージ・コールマンの演奏ゆえだ。
サム・ジョーンズのベースは、相変わらず聴いていて耳に心地よく、食感のよい菓子のようだ。中音域中心だからなのだろうか。
リーダーのシダー・ウォルトンを含め、みんなビバップ魂、ハードバップ魂炸裂である。文字通り、アルチザン、アンド、アーティストなのだ。こんな最上級のノリノリの演奏を見せられたら、野外ライヴの聴客はもう忘れられなかっただろうね。村上春樹もシダー・ウォルトンを好んで聴くらしい。
●参照
○アーマッド・ジャマル『Ahmad Jamal A L'Olympia』(ジョージ・コールマン参加)
○エルヴィン・ジョーンズ『Live at the Village Vanguard』(ジョージ・コールマン参加)、『My Horns of Plenty』、『Amsterdam After Dark』