Joe McPhee (ts, as, tp)
Paul Nilsen-Love (ds)
ジョー・マクフィー待望の来日。強引に都合を付けて、稲毛のCandyまで足を運んだ(2012/1/25)。
千葉県民でありながらCandyに行くのは初めてだったのだが、中にはハン・ベニンク、ジョン・ヒックス、リチャード・デイヴィス、スティーヴ・レイシー、ジョン・ブッチャー、ペーター・ブロッツマンらのサインが溢れており、実に良い印象。
マクフィーとニルセン・ラヴはちょっと遅れて食事から戻ってきて、20時20分ころからの演奏開始となった。
まずはニルセン・ラヴのドラムソロ。この人はパワープレイだけでなく実に引き出しが多い。
そして、かなり年下のニルセン・ラヴを天才だと紹介しつつ、マクフィーのトランペットソロがはじまった。繊細な擦音、ペラペラのプラカップをミュートのように使う異音、轟高音。そしてスムーズにテナーサックスに持ち替えたのだが、この音の味には痺れてしまった。やはり擦音から入り、管を素晴らしい音で共鳴させ、時には吹きながら叫ぶ。循環呼吸奏法も見せた。
ニルセン・ラヴとのデュオでは、主にアルトサックスを使った。テナーと随分異なり、アルト独特のキュッキュッというマウスピースで発生するノイズをうまくコントロールしつつ、中高音で鳴らしきる感じである。マクフィーのテナーはブルース、アルトは攻撃である。アルトのマウスピースは真っ赤なもので、演奏後に、はじめて見たけど、と訊ねてみると、友人がプラスチックから削りだして作ってくれたものだということだった。
ニルセン・ラヴはというと、演奏が進むにつれますます多くの引き出しを開陳し、お待ちかねの超はやいパワープレイを見せつけてくれた。
ところで、演奏中に、マクフィーのデイパックから携帯の着信音が二度ほど鳴り響き、そのたびに、ん?と中断し、デイパックをトイレに閉じ込めてまた吹きはじめるという展開もあった。ハプニングをパフォーマンスにしてしまう余裕か。
素晴らしいライヴだった。行ってよかった。
マクフィーにもサインを頂いた
●参照
○ジョー・マクフィーとポール・ニルセン・ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』
○ウィリアム・パーカー+オルイェミ・トーマス+リサ・ソコロフ+ジョー・マクフィー+ジェフ・シュランガー『Spiritworld』
○ジョー・マクフィーの映像『列車と河:音楽の旅』
○ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン
○ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(ニルセン・ラヴ参加)
○4 Corners『Alive in Lisbon』(ニルセン・ラヴ参加)
○スクール・デイズ『In Our Times』(ニルセン・ラヴ参加)