本多滋世さんからのご案内で知り、小岩のフルハウスにはじめて足を運んだ(2013/5/18)。
宮野裕司 (as)
中牟礼貞則 (g)
山崎弘一 (b)
本多滋世 (ds)
田中千賀 (vo) ※ゲストで2曲。
宮野さんのサックスは、音が小さく、以前から、ずいぶん個性的だなという印象に過ぎなかった。渋谷毅オーケストラで吹くのを聴いたときには、「俺が俺が集団」の中にあって、何となく希薄な個性のようにも思っていた。
改めて聴いてみると、まるで、目の前にある陶磁器の形や味わいを触って愛でるような感覚。まったく希薄ではない。即興に入ろうとするときのためらいも感じられて、それがまた心地が良い。これはミニマルであり、ワビサビなのだった。滋味は演奏スタイルだけでなく、選曲も渋いものばかり。ちょっとCDも欲しくなってしまった。
本多さんのドラムスは小気味好い。それだけでなく、特にブラッシュワークにおいて、ビートを跨る鞭のようなリズムが、まるでブラッシュワークの名手であったエルヴィン・ジョーンズを思い出させるようで。
そして、大袈裟にいえばギターレジェンド・中牟礼貞則。メロディーも和音もスタイリッシュで、ずっと凝視していた。ひたすらにカッコいいのだった。
