Sightsong

自縄自縛日記

シンガポールのクレイポットとバンコクのカニ

2013-08-07 22:34:33 | 東南アジア

所用ではじめて足を運んだシンガポール。評判が良いという「Uncle Sam's Claypot」という店で、チキンのクレイポットを注文した。

クレイポット、つまり素焼きの鍋が熱々になっており、そこにご飯と具材が盛られている。石焼ビビンパ以外にこのようなものがあったとは、知らなかった。当然、慌ててかき混ぜなければならない。写真を撮っていたら、少し焦げてしまった。

それにしても、「アメリカ人の素焼き鍋」とは何という名前か。

そのままバンコクへ移動。この街では、いつも、「Somboon」に行くことにしている。バンコクで仕事をする日本人は、ほとんどこの店を知っているといっても過言ではない。(ボッタクリの偽の店があるので要注意。)

目玉料理は、カニのカレー炒めである。ただ、カレー味はさほど感じない。カニ肉とふわふわの卵の組み合わせが、実に旨いのだ。


ブライアン・ヘルゲランド『42』

2013-08-07 22:00:00 | スポーツ

バンコクからの帰国便で、ブライアン・ヘルゲランド『42』(2013年)を観る。

1947年に黒人選手としてはじめてメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンと、彼を受け入れて契約したブランチ・リッキーの物語。

ローザ・パークスによる「モンゴメリー・バス・ボイコット事件」が1955年。キング牧師による「I have a dream」の演説が1963年。それよりもはるかに前の時期において、確かに、「白人のスポーツ」たるメジャーリーグに黒人が参加することへの拒否反応は、大変なものだっただろう。

映画では、ジャッキーは、守旧的な白人至上主義者たちから、言葉に言い表せないほどの差別や脅迫を受ける。いや「主義者」だけではない。彼らは一般市民であり、また、チームメイトたちの中にも、一緒にプレイすることに不快感を示す者たちがいた。もちろん、このような愚か者はどの時代にもいるものであり、本質的には現代日本も同じようなものだ。(言うまでもなく、あなたも私も無縁ではありえない。)

映画としてはさほど優れた作品とは言いがたいが、それでも、このような物語には弱い。どうしても感情移入して、涙腺がゆるんでしまう。

ジャッキーがメジャーに昇格したドジャースは、当時、ブルックリンにあった(それゆえに、ポール・オースターがしばしばジャッキーのエピソードを書いている)。確か、狭い路地で子どもたちが自動車をよけたりしていたために、「ドッジ」する人たち、すなわち「ドジャース」と命名されたのだったと記憶しているが、どうだったか。

バーニー・ウィリアムス『Rhythms of the Game - The link between musical and athletic performance』(>> リンク)によると、カウント・ベイシーが彼に捧げた「Did you see Jackie Robinson hit that ball?」という曲があるそうで、ぜひ聴いてみたいところ。


ロン・ハワード『フロスト×ニクソン』

2013-08-07 09:31:52 | 北米

シンガポール行きの機内で、ロン・ハワード『フロスト×ニクソン』(2008年)を観た。

軽薄なテレビ司会者フロストが、ウォーターゲート事件で失脚したばかりのニクソン元大統領への単独インタビューを行う。とにかくニクソンを追いつめた「絵」を撮るべく、フロストは多額の私財を投じ、研究者たちによるチームを結成する。一方、ニクソンは老獪、逆に政界復帰にもつながりかねないインタビュー結果となる始末。しかし、ウォーターゲート事件にあてられた最後のインタビューにおいて、フロストは、ニクソンの感情を暴走させることに成功する。

当時の反ニクソンの雰囲気が感じられ、またニクソンにも感情移入できるつくりの映画。まあ、バランスよく盛り上げていこうとするのはよくわかるが、ただのバランスが取れた映画にとどまっている。

ところで、機内では、『オブリビオン』も観たが、無視。いまはバンコク・スワンナプーム空港のラウンジ、さあ帰りは何を観よう。