この数日間、ミルト・ジャクソンの初期作品8枚がCD4枚に収録された『Eight Classic Albums』(Real Gone Jazz)を聴いている。
■ 『Mlit Jackson Quartet』(1955年)
ホレス・シルヴァーと組んだカルテットであり、昔から好きな盤。「I Should Care」なんて何度聴いても沁みる。
■ 『Plenty, Plenty Soul』(1957年)
ジョー・ニューマン、キャノンボール・アダレイ、サヒブ・シバブなど大勢の管楽器とともに繰り広げた賑やかなセッション。キャノンボールが高音に駆け上がったときのノイズ音が好み。
■ 『Jackson'sville』(1956年)
ちょっと地味なのか、あまり注目されてこなかったのかな。勢いよくシンバルのシャバシャバ音を鳴らすケニー・クラークは悪くない。
■ 『Soul Brothers』(1958年)
レイ・チャールズとの双頭盤。レイのアルトサックスは熱がこもってブルージー。
■ 『Bean Bag's』(1959年)
コールマン・ホーキンスとの双頭盤。いや~、塩っ辛い音のテナーサックスは良いなあ。これにトミー・フラナガン、ケニー・バレルも参加していて、悶える。
■ 『Bag's Opus』(1959年)
アート・ファーマーとベニー・ゴルソンがフロントで参加した盤。ファーマーの淡麗辛口のラッパは良いのだけど、ヘンにきちんとしたアンサンブルでの「I Remember Clifford」にはどうにも違和感が・・・。
■ 『Bags & Trane』(1960年)
ジョン・コルトレーンとの双頭盤。実はトレーンはあまり得意でないのだ。ノーコメント。
■ 『Soul Meeting』(1961年)
『Soul Brothers』に続くレイ・チャールズとの双頭盤。レイはここではピアノ。
こうしてずっとミルトのヴァイブを聴いていると、ブルージーで、品があって、本当に素晴らしいことがわかる。分厚くふかふかの絨毯の上で見事な踊りを見せるような名人芸であり、割れるような金属音や突き抜ける興奮も見せることはなく、すなわちいくら激しく踊っても、足の裏の摩擦で絨毯を傷つけるようなことはない。
いちどブルーノート東京で、ディー・ディー・ブリッジウォーターらと共演するミルトの姿を観たときも、そんな印象で、スタイリッシュさに感激してしまった記憶がある。ミルトは、辛子色のジャケットを着ていた。