デューク・エリントン『Live at the Whitney』(Impulse!、1972年)は、巨匠によるピアノソロとピアノトリオ。
Duke Ellington (p)
Joe Benjamin (b) (13-19)
Rufus Jones (ds) (13-19)
名盤として名高い『Money Jungle』は、マックス・ローチ、チャールス・ミンガスという、個性と呼ぶのも生ぬるいようなふたりとのセッションで、異種格闘技的でもあった。しかし、10年後に吹き込まれた本盤は、それに比べればずいぶんリラックスしている。
美術館での演奏ということもきっと関係がある。1曲が1分から2分程度と短いものが多く、聴衆にエッセンスを披露しようと思ったのかもしれない。そんなわけで、気持ち良く楽しめる録音である。ところで、このホイットニー美術館は移転中で、2015年1月に別の場所再オープンする(設計はレンゾ・ピアノ)。これまでの建物も、エリントンが演奏したのだと意識していれば、もっと感慨深かったに違いない。
ソロによるビリー・ストレイホーンの曲「Lotus Blossom」は、メロディーに合わせて循環する。渋谷毅さんも、必ず、オーケストラの締めくくりには「Lotus Blossom」を弾く。この演奏を聴いていたのかな。
NY・ホイットニー美術館(2014年6月)
2015年1月オープンの新ホイットニー美術館(2014年7月)