Sightsong

自縄自縛日記

佐藤信介『万能鑑定士Q ―モナ・リザの瞳―』

2014-12-18 07:34:51 | アート・映画

ドバイからの帰国便で、佐藤信介『万能鑑定士Q ―モナ・リザの瞳―』(2014年)を観る。読書に飽きての気分転換だが、存外に面白かった。

レオナルド・ダ・ヴィンチの名画「モナ・リザ」が、40年ぶりに日本に貸し出されることになった。贋作の多い作品でもあり、ルーヴル美術館は、日本での展示をしっかり監視するための臨時学芸員を雇うことになった。厳しいテストを突破したふたりの日本人は、エリートの美沙と、「万能鑑定士」こと莉子。ところが、真贋を見極めるためのトレーニングを繰り返すうちに、莉子は、原因不明の頭痛に襲われ、その天才性を喪失してしまう。一方で、「モナ・リザ」を盗む計画が進んでいた。

何しろ綾瀬はるかがハマり役である。『プリンセストヨトミ』もしかり、「天然」役は魅力的。

1960年代にアメリカに、70年代に日本とロシアに貸し出されたことがある作品だが、ここまでルーヴルの顔になってしまうと、もう海外での展示は難しいのだろうね。ルーヴルでも人が多いうえに防弾ガラスに遮られていて、なかなかじっくり鑑賞できない。もはや二次媒体を通じて観るのが一番だということである。


「モナ・リザ」、ルーヴル美術館、2011年