Sightsong

自縄自縛日記

テレンス・ブランチャード『Magnetic』

2014-12-26 23:01:42 | アヴァンギャルド・ジャズ

1997年頃のジャズフェスでテレンス・ブランチャードにそれなりに感心した記憶があるが、感心はそれなりゆえ、まったく興味の対象外だった。ところが、先日飛行機のなかでたまたま聴いた『Magnetic』(Blue Note、2013年)がカッチョ良く、何時間もリピートしてしまった。

Terence Blanchard (tp)
Brice Winston (ts)
Ravi Coltrane (ts)
Lionel Loueke (g)
Fabian Almazan (p)
Ron Carter (b)
Joshua Crumbly (b)
Kendrick Scott (ds)

そんなわけで、改めてCDを入手して聴いている。やはりピカピカに鮮やかで、スピーディーで、ギミックもあって、なかなか痛快な作品だと思ったのだった。普段はさほど趣味でもないのだが、こういうものが正統としてみなされるのかな(もちろん皮肉ではなく)。

特に鮮やかなプレイを示してくれるのが、ブランチャードのストレートなトランペットの他に、ファビアン・アルマザンのピアノとケンドリック・スコットのドラムス。もっとも、この音楽の中では、イカリ肩のプレイは際立つようにできている。

逆にサックスのふたりがぱっとしない。ジョン・コルトレーンの息子ラヴィは、ずいぶん前に山下洋輔トリオのゲストとして吹いていたのを観たとき、名曲「キアズマ」のテーマを吹き切ることができず、がっかりした。その気持ちをまだ引きずっている。良い演奏があれば聴いて払拭したいところ。


松風鉱一『Good Nature』

2014-12-26 07:13:41 | アヴァンギャルド・ジャズ

松風鉱一『Good Nature』(TRIO、1981年)をようやく聴く。

松風鉱一 (as, ts, fl)
初山博 (vib)
望月英明 (b)
森山威男 (ds)

何年前だったかにCDとして再発されたとき、本人(師匠)が、再発については聞いていない、自分たちはそんなものだと言われ仰天、そのまま何となく買いそびれてしまった。今回の再発は紙ジャケ。

松風さん32歳のときの吹き込み(いまの半分)。すでに名曲「What Masa is ... She is out to Lunch」や「Yellow Sands」を演奏していて、しかも、かすれてささくれたような独特の音を展開している。森山威男の参加も嬉しい。格好良いサウンドである。

もっとも、『Sax Workshop』が再発されたときにも「発展途上の音だな」とつぶやいていたし、この録音についても同じコメントに違いない。確かにこのあとの音にはもろもろの雑多なものや余裕が取り込まれていく。

●参照
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』 
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
反対側の新宿ピットイン
くにおんジャズ、鳥飼否宇『密林』