トマソン
ジェッダは紅海に面したサウジアラビア第2の都市であり、かつては、メッカへの巡礼者にとっての玄関であった。14世紀の旅行者イブン・バットゥータも、この街を通っている。
空いた時間に、旧市街に足を運んだ。今年(2014年)、この街が世界文化遺産に登録されたことは、訪れてはじめて知った。イエメンの首都サヌアと同様に、市街全体に歴史的な価値があるものとしてのことだろう。
市街の中でも目立つ「ナシーフ・ハウス」(20世紀初頭に王も使ったことがある商家)や、古い「アル・シャフィー・モスク」は綺麗に修復されているところだった。ひょっとすると、何年も経って整備が進むと、この風情も少なからず稀薄になってしまうのかもしれない。
ナシーフ・ハウス
昼前の旧市街は静かで、あまり歩いている人はいない。ただ、お祈りが終わったモスクからは人がわらわらと出てきた。
路地を歩いていると、奇妙な建造物群に目を奪われる。窓が木でできており、漆喰の本体から外側に飛び出している(「トルコ様式」であるらしい)。しかし、そのいくつかは朽ちかけていて、廃墟に近い。なかにはぐにゃぐにゃに傾いでいるものも多く、自分の眼が歪んでいるのかと思ってしまう。
※写真はすべて、Pentax MX、M40mmF2.8、Fuji 400 Pro
●参照
旨いサウジアラビア その2
リヤドの夜景
2014年9月、アラビア砂漠
旨いサウジアラビア
2012年11月、リヤドうろうろ
2012年11月、リヤドの朝
リヤドの国立博物館
リヤドのビルと鍵と扉
保坂修司『サウジアラビア』