Sightsong

自縄自縛日記

松尾昭典『沖縄10年戦争』

2014-12-07 23:57:31 | 沖縄

松尾昭典『沖縄10年戦争』(1978年)を観る。

前作の『沖縄やくざ戦争』(1976年)と同様に、「第4次沖縄抗争」(1973-81年)を描いている(らしい)。前作では、千葉真一が冗談のようにエキセントリックな役を演じていたが、ここでは、よりリアルな演出がなされている。わかりやすいが、映画としての突破力は前作に劣るかもしれない。

沖縄の施政権返還に伴う「本土」やくざの進出を防ぐために、沖縄の中で統一されたはずのやくざ組織であった。しかし、やがて内部抗争が激化し、「ヤマトンチュー」はそこに付け込む。狙いは、沖縄進出のみならず、海洋博(1975年)の巨大な利権獲得でもあった。そして海洋博が終わり、カネの大半は「本土」に流れ、「ヤマトンチュー」は沖縄から去ってゆく。亀甲墓での沖縄人同志の殺し合いの中で、かれらの脳裏に蘇ったのは、食料すら沖縄人から奪っていった日本兵の姿であった。

それにしても、松方弘樹、佐藤允、千葉真一、小池朝雄など芸達者な面々。にしきのあきらや山田隆夫の登場にはにやりとさせられる。意外な登場は、栗田ひろみである。大島渚『夏の妹』(1972年)において、沖縄を訪れるイノセントな存在として描かれたのであったが、6年後の姿はその鮮烈さを失っていた。

●参照
中島貞夫『沖縄やくざ戦争』


2014年12月、ハノイ

2014-12-07 20:37:25 | 東南アジア

朝は湖畔や市場を散歩。スナップにマニュアル一眼レフも気持ちいいものである。

※写真はすべて、Pentax K2DMD、M50mmF1.4、コダック・ポートラ400

●参照
旨いハノイ その2
2014年10月、ハノイ(2) 朝の市場
2014年10月、ハノイ(1) 朝の湖畔
旨いハノイ
2013年1月、ハノイ
2012年8月、ハノイの湖畔
2012年8月、ハノイ
ハノイのMaiギャラリー
2012年6月、ハノイ
ハノイのレーニン像とあの世の紙幣
ハノイの文廟と美術館
2008年10月、ハノイの街


千葉真一のゴルゴ13

2014-12-07 09:31:33 | 香港

高倉健版に続き、野田幸男『ゴルゴ13 九竜の首』(1977年)を観る。ここでは、千葉真一がゴルゴ13を演じている。

ゴルゴは、アメリカ麻薬組織から、香港支部長・周の暗殺依頼を受ける。かれは、本部の言うことをきかず私腹を肥やしていた。しかし、ゴルゴが狙いを定めたとき、周は他の者に射殺される。黒幕は香港領事であった。自分の身が危なくなると知ると、領事は、麻薬ネットワークのリストをFBIに渡すことと引き換えに、アメリカに亡命しようとしていた。逃がすまいと迫る香港警察とゴルゴ。

中学か高校のころに、テレビで昼過ぎに放送されたカット版を観たことがある。「ゴルゴ~」などと女性のコーラスが入る主題歌、海上のボートから高層ビルのベランダにいる男を狙撃するシーン、お色気シーン、拷問を受けるシーンが強烈な記憶に残っているが、それは、映画のわざとらしさからきているに違いない。再見してよくわかった。

とにかく、ベタであろうとなんであろうと、脊髄反射的なネタを映画に詰め込んでこその『ゴルゴ13』である。しかも、漫画を遥かに凌駕する顔貌の千葉真一。しかも、泣く子も黙る「香港・マカオロケ」。しかも、ジャパンアクションクラブ(志緒美悦子も登場)。しかも、眼帯を付けた謎の男・鶴田浩二。条件はそろっている。

いや~、面白い。いま再公開しても、割とウケるのではないか。

そういえば、井上ひさし『吉里吉里人』に、「ベルゴ・セブンティーン」なる人物が出てきたな。(ふと思い出した)

●参照
高倉健のゴルゴ13
中島貞夫『沖縄やくざ戦争』(千葉真一)
鈴木則文『少林寺拳法』(千葉真一)
鈴木則文『忍者武芸貼 百地三太夫』(千葉真一)
高野秀行『ミャンマーの柳生一族』(千葉真一はミャンマーの超有名人)