オッキュン・リー+ビル・オーカット『Live at Cafe Oto』(OTOROKU、2015年)を聴く。OTOROKUはロンドンのCafe Otoによるレーベルである。700枚限定の180グラム重量盤LP。
Okkyung Lee (cello)
Bill Orcutt (g)
まずはオッキュン・リーのチェロが実に多様な音の貌を持っていることに驚く。音域が広く、流れるように滑らかであったり、突然摩擦係数が高くなって引っ掛かったり。ためらいの無さによるものなのか、異様な迫力さえも覚える。ファンタスティックである。
どうしても場を支配しているのがオッキュンのように感じられるのだが、その場において、ビル・オーカットのギターが、なにものかを突き通すように鋭く、またブルース的にも絡んでくる。それがまるで異文化の出逢いのようでもある。
Cafe Otoにはいちどだけ足を運んだことがある。その薄暗く、また親密な空間において、これが繰り広げられたのだと思うと、陶然とした時間であったに違いないと想像できる。今年(2016年)にはオッキュンが来日し、六本木のスーパーデラックスで演奏した。やはり親密で良い空間である。都合が悪くて目撃できなかったことが残念でならない。いつオッキュンのプレイに立ち会うことができるだろう。
●参照
エヴァン・パーカー ElectroAcoustic Septet『Seven』(2014年)(オッキュン・リー参加)
エヴァン・パーカー+オッキュン・リー+ピーター・エヴァンス『The Bleeding Edge』(2010年)
オッキュン・リーのTzadik盤2枚(2005、11年)