Sightsong

自縄自縛日記

MAGATAMA@本八幡cooljojo

2017-04-02 10:42:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojoに足を運び、MAGATAMA(2017/4/1)。

MAGATAMA:
増尾好秋 (g)
永武幹子 (p, key)
ノリ塩田 (b)
北井誉人 (ds) 

増尾好秋といえば、ソニー・ロリンズとの共演、『本田竹曠の魅力』における印象的な「Hey Jude」のソロなんかを思い出す。しかし、もっとも目立ったキャリアはフュージョンでの活動なのであって、わたしはほとんど聴いてこなかった(『Sailing Wonder』くらい)。そういえば20年くらい前に、テレビで鈴木良雄と「D Natural Blues」(ウェス・モンゴメリー!)を演奏したことがあって、あれは好きだった。

この日なぜ観にいったかと言えば、永武幹子(「ポスト上原ひろみ」と吹聴しようかと・・・)が出演、そしてそれによって確立された大御所のオーセンティックなサウンドがどのように変わるのか興味津々だったからである。

演奏された曲はほとんど増尾さんのオリジナル。『Sailing Wonder』の曲もあったし、渡辺貞夫や(増尾さんは早大在学中にナベサダのグループに入っている)、ソニー・ロリンズに捧げた曲もあった。

ギターの音色は艶やかで鮮やかなパッセージ。そして期待以上の永武さんのプレイだった。ピアノではほとんど恍惚の表情を浮かべて見事なソロを次々に繰り出し、バンドに刺激剤を注入した。キーボードもやたらファンキーでカッチョいい。いや~、よかった。このような化学変化はライヴのたびに起きるに違いない。

●永武幹子
植松孝夫+永武幹子@北千住Birdland(JazzTokyo)(2017年)
永武幹子@本八幡cooljojo(2017年)


上田凛子@新宿ピットイン

2017-04-02 10:04:07 | アヴァンギャルド・ジャズ

新宿ピットイン昼の部で上田凛子(2017/4/1)。

上田凜子 (p)
荒井美咲 (b)
野澤宏信 (ds)
宇野嘉紘 (tp)
龍野マリエ (vln)
柴田春音 (viola)
飯島奏人 (cello)

ピアノトリオの前面にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦3人、さらにトランペットという変わった編成。CD『Two Faces』発売記念のライヴであり、オリジナル中心の演奏だった。

最初の「Dedicated to France」は旅のうきうきするような曲想。弦のアンサンブルからピアノトリオにシフトし、急にジャズ的にスイングする転換で驚いた。「Nobody Knows」は謎をひとつずつ解いていくドラマのような曲であり、ふと弦がみんな爪弾いたりして、雰囲気がコンパクトに変わっていった。弦3人が抜けトランペットが入り「Do as You Like」、そしてまた弦が戻り、分厚いサウンド。トランペットが抜け、「Bustling World」では文字通り目まぐるしい世界を表現。ここでも目まぐるしい弦のあとに静けさが訪れ、ピアノが美しい旋律を弾き、重くて良いベース。終わったと思ったら激しいドラムスで再起動、音風景の転換が鮮やかだった。

セカンドセット。今度は逆に弦が入らずカルテット編成で2曲。突き刺すようなトランペットが見事。弦が入り、「Two Faces」。トランペットが抜け「Heartbeat」。ヴァイオリンからはじまり、全員が同じテーマを重ねてゆく激しい展開であり、固く重たいドラムソロが盛り上げた。そして最後の曲では、ヴァイオリンからヴィオラ、チェロが入り、さらにまたヴァイオリンが入るといった凝った導入部から、ピアノソロ、トリオ、弦が役割を次々に変え、見事なコントラストを示した。

アンコールに応え、ピアノトリオ+トランペットで、クリスチャン・マクブライドの「The Shade of the Ceder Tree」。ここでバップ的になったことがまた愉快だった。

CDは聴いていないが(このネット時代になぜ検索しても出てこないのだろう)、とても新鮮でサプライズが多いグループ。これからどのように洗練され、どのように崩れてゆくのか、追いかけてみたいところ。